旅ごころブログ🐒

心理カウンセラーをしている筆者が心理学の知識を紹介するブログです。趣味の旅行で行ったおすすめスポットや飲食店の紹介もしていきます。

精神科で用いる抗精神病薬の効果と処方薬依存について、精神科勤務筆者が解説します

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抗精神病薬は主に精神科医療で用いられる薬のことを指します。

精神科領域では服薬治療が主な治療なのか、それとも補助的な治療なのか、は支援者により意見が分かれるところではありますが、服薬治療・生活支援・心理的支援などが相補的に組み合わされることで治療効果が高まる、というのは今では常識です。

 

抗精神病薬によって、精神科関連の疾患が軽症化され、治療できる病気となりました。

一方で、「処方薬依存」という新しい疾患も生み出しています。

処方薬に依存する患者様もおられれば、必要な薬を拒否する患者様もおられ、どのように薬を治療の中で用いていくのか、は精神科医療では大きな課題です。

 

今日は抗精神病薬と処方薬依存について説明をしていきます。

 

 

 

抗精神病薬とは

抗精神病薬は、統合失調症躁うつ病認知症、などの病気で見られる「幻覚妄想状態」などの病的体験や、精神の興奮などに対して、症状を緩和し、鎮静させる効果を持ちます。

 

大脳や脳幹、神経伝達物質であるドーパミンに作用し、陽性症状(幻覚妄想など)に有効であるとされてきました。

陽性症状とは、統合失調症などに見られる病的な症状のことで、見えないものが見えたり(幻視)、聞こえるはずのない声が聞こえたり(幻聴)、ありもしないことを現実だと確信したり(妄想)するものを指します。

 

もともとは、このような激しい陽性症状に使用されてきた抗精神病薬ですが、最近では陰性症状(感情が生き生きと動かなくなったり、意欲が低下したりする)にも有効であることが確認されています。

 

薬なので当然副作用はあり、口渇・眠気などの軽いものから、身体がむずむずしたり吐き気がしたりなどの、生活に大きな支障をきたす副作用もあります。

 

副作用に留意しながら症状を緩和できるように、医師が診察での問診をしたり、家族や介護者が生活の様子を観察したりして処方を調整していきます。

 

精神科領域における薬物治療

精神科領域の病気への治療は、かつては隔離をして隠蔽をする、患者様の人権を無視した治療とも呼べないものでした。

 

精神病を「狐憑き」として治療よりも祈祷をしたり、「精神病は治らない」とされていました。

 

それが1952年フランスでクロルプロマジンという物質が発見され、治療効果をあげたことで変化が見られます。

 

日本においては、1955年に小林司医師が都立松沢病院で使ったレセルピンが薬物治療の幕開けと言われています。

 

薬物治療が始まり、精神病の治療は大幅に変化し、治る、緩和できる病気となったのです。

 

精神病治療薬の種類

 

抗精神病薬:妄想・幻覚の除去

抗うつ薬抑うつ症状の改善

抗不安薬:不安感、緊張感の除去

睡眠薬:睡眠の誘発、持続

気分安定薬躁状態の改善

 

などがあります。

人により合う合わないは当然ありますので、症状やその方の話をよく聞いた上で医師により処方されます。

 

 

精神科治療薬と処方薬依存

精神科治療薬は長期に渡り服用をする必要のあるお薬がほとんどです。

必要な服薬を拒否する方も多いですが、最近では処方される薬に依存をする患者様も増えてきています。

 

薬物依存症は、処方薬依存、市販薬依存、覚醒剤大麻などの非合法薬物依存など、種類は様々です。

 

処方薬依存の場合は、患者様が自分で薬を調べてとても詳しく知識を持っていることも少なくないですが、薬に依存的になり、たくさんの薬を集めたがったり、悩みや葛藤などの心理的な問題も全て薬で解決したがったりします。

 

医者や薬剤師が中心となり、適切な量を正しく服用する重要性を教育的に伝えていくことが大切だと言われています。

 

心理士は心理療法の中で、薬以外の対処法を検討したり、薬物依存の知識を一緒に勉強したりして関わります。

 

 

おわりに

精神科治療で薬は切って切り離せないものです。

とても効果がある一方で、長期に渡って服薬する精神的な苦痛に対しても、支持的な支援を必要としています。

 

医者、薬剤師、看護師、心理療法士などが連携することと、患者様やご家族ともよく話し合うことが求められます。