旅ごころブログ🐒

心理カウンセラーをしている筆者が心理学の知識を紹介するブログです。趣味の旅行で行ったおすすめスポットや飲食店の紹介もしていきます。

精神障害者ってどんな人たち?怖い?暴れる? 10年間精神障害者と接してきて思うこと

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精神障害者と聞くとどのようなイメージを持ちますか?

精神障害といっても、治療を適切に受けている人もいれば未治療の人もいますし、重症度も異なりますので、一言ではくくれませんが、実際に関わって得られるイメージよりも、事件を起こす危険な人たち、すぐに不安定になる人たち、というイメージが先行していると思います。

 

今日は私が実際に関わって感じた、精神疾患を抱えている人たちはどんな人たちなのか、ということを書いていきます。

 

 

 

 

 

精神障害者」ってどんな人たち?

・とっても不安が強いです

精神障害の方すべてではありませんが、不安が強い、というのはとても感じることです。

怖がりの方が多く、狭い部屋で震えている姿も時々見かけます。

入院中だと「外に出たい」気持ちもある一方で「外は怖い」という不安感ももっておられるようです。

 

・感情を適切に表現できない

精神障害者の方は、こちらからすると突拍子もない行動を取ることがあります。

突然裸になったり怒りだしたり、抱きしめてきたかと思えば無視をしてきたり・・・

行動だけを見ると「何でそんなことを・・・」と言いたくなることばかりですが、その行動を取ったわけを聞いてみると、「ああ、なるほど、それでか」と納得することはとても多いです。

 

いきなり男性の看護人を引っ掻いた女性の患者様に、後から話しを聞くと、先日男性看護人が自分の着替えを手伝ったことがあったが、男性に着替えを手伝われることが実は不快だった、でも言えなくて我慢していたが、今日その看護人の顔を見て着替えのことを思い出し拒否反応が出た、とのことでした。

 

もちろん「引っ掻く」という行動はだめな行動ですが、感情自体は理解・共感できますよね。

その患者様には主治医より着替えの際の配慮がなかったことを謝罪し、その上で暴力で怒りを表現するのも、嫌なのに無理に我慢するのもどちらも良いことではない、と説明をしました。

そして定期的に担当の看護師が面談をし、その方の気持ちや病棟生活での困り事を聞き取るようにしていくと、とても穏やかに療養生活を送れるようになりました。

 

このように、行動自体には共感できないけど、感情を話してくれれば「なるほどな」と思うケースはたくさんあります。

感情の表現が苦手がゆえに誤解が起こることはとても多いのです。

 

・自分で自分をメンテナンスすることが苦手

精神障害を抱えている人は、心身のメンテナンスを自分ですることが苦手な場合が多いです。

体重のコントロールができなかったり、清潔保持が難しかったり、心の健康を保つためにストレス対処をしたりができなかったりします。

 

メンテナンスというのはめんどくさいものです。

それができるということは、自分で自分を律することができるということです。

それが精神障害を抱えていると難しくなります。

 

 

さて、ここまで聞くと「怖がりでだらしない人たち?」「感情を言葉にできずに殴ったりする?」というイメージがわいたかもしれません。

 

もちろんそれは誤解です。

 

確かに精神障害を抱えていると、不安が強くなったり適切な感情表現が苦手な場合が多いですが、実際に話してみると本当に「普通」の話ができたり、一緒にスポーツを楽しめたりする方がとても多いです。

私も若い頃はデイケアの患者様に料理を教えてもらったり、医師に叱られた時に慰めてもらったりと、本当に助けていただきました。

そんな相互的な関わりも当然できます。

ただ何らかの心を揺さぶる出来事が起こった時に、耐えられない、ということは起こると思います。

 

精神障害を抱える、ということは楽なことではありません。

治療を受けて病気をコントロールできていれば怖い人たちでもないし、私たちと同じように過ごす時間も多いですが、「普通の人たちと一緒だよ!」というのも、また違うのです。

 

「人間同士の付き合いが大切」と普通に付き合っていて相手を傷つけてしまうこともありますし、逆に「治療の対象」と距離を置いていては何も分からないままです。

精神障害者」ではなく「精神障害を抱える〇〇さん」という視点はとても大切だと思います。

 

 

精神障害を抱える人たちとの時間

私は主人と過ごした時間よりも、精神障害を抱えている方と過ごした時間のほうが長いですが、本当にたくさんのことがありました。

 

資格試験を控える私を応援する手紙を下さった方、退職する時に自分の大切なペンダントをプレゼントしてくださった方、一緒にカラオケに行った方たち、料理を教えてくれた元料理人の方、苦しくても自分の問題にカウンセリングで向き合い続けた方、作業所を一緒に見学してそこで就職をした方・・・

 

まずは精神障害の知識があり、その知識を持ったまま生身の方たちと関わり、「ああ、この人こんな人なのかな」という自分なりのイメージを作ることの大切さを改めて感じます。

 

最近は特に、「犯罪を犯した犯人が引きこもりだった」「精神科に通院歴がある」などの報道で、精神障害者への偏見が高まるのではないか、と問題視されています。

 

精神障害によって自分をコントロールできなくなり事件を起こす、ということは確かにありますが、治療を受けていれば多くの場合病気のコントロールは可能です。

実際に、様々な障害を抱えている方の犯罪率は健常者の犯罪率よりもはるかに低いですが、インパクトがあるのか過剰に報道されているようにも感じられます。

 

一方で、それは世間の無理解だけではなく、実際に接したことがない人たちへ偏見の目を向けるな、と言われても、なかなか本来の姿がイメージできないだろうな、とも思うのです。

 

精神障害者当事者の方が講演をしたり、精神科医療の実際を伝える機会も増えてはきていますが、こちらからもどんどんオープンに伝えていき、お互い歩み寄れれば距離は近いものになりますよね。

 

精神障害を抱えながらも必死で生きている、頑張って生活をしている方たちのことをたくさん知って欲しいと思っています。