旅ごころブログ🐒

心理カウンセラーをしている筆者が心理学の知識を紹介するブログです。趣味の旅行で行ったおすすめスポットや飲食店の紹介もしていきます。

精神障害者の地域暮らしってどんなものか知っていますか?利用できる福祉・医療制度の紹介から実際の生活まで

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近年、精神科領域は医療だけではなく福祉の重要性が認識されています。

病気自体のコントロールはできているのに、退院する場所がない、家族の受け入れがない、自分で一人暮らしも難しい、そのため退院ができない、という「社会的入院」をしている患者様は今も多くおられます。

精神障害者は病院に閉じ込めておく存在ではなく、医療と福祉が連携し、病気のコントロールをしながらご自身が望む場所になるべく住めるようにサポートし、自己実現をしていけるのです。

 

病棟勤務をしていると、何十年も入院をして、気力も体力も著しく低下して患者様が当たり前のように存在しています。

私たちが友人と遊んだり、旅行に行ったり、家族と喧嘩をしたり、仕事をしたりしている間、ずっと何十年も病院から出られず、だんだんと自分で考えたり行動する力までなくなり、ただ寝て食事をするだけの無為な生活を送っているのです。

 

もちろん、そのような状況を放置しているわけではなく、現在様々な病院で退院支援を積極的に行うようになってきています。

地域で生きていけるための福祉的な制度も少しずつ増えてきています。

 

今日は精神障害を抱える方が、地域で生きていく時、実際にどのような援助が入るのかいついて解説していきます。

 

 

 

精神障害者の地域暮らし 何ができれば退院し一人暮らしができる?

まず、地域で生きていくためには何ができれば良いでしょうか?

みなさんがしていることと同じようなことができれば、地域で一緒に生きていけるのでしょうか?

 

例えば食事。

3食栄養バランスや経済的なことを考えながら食事を準備する必要があります。

 

ゴミ出し。

正しく分別し指定の日に指定の場所に持っていきます。

 

金銭管理もですね。

入ってくる収入で必要な経費を払っていかないといけません。

 

他にもたくさんあると思います。

余暇活動、食材の買い出し、部屋の掃除、入浴をすること、電車に乗ること、携帯電話を使いこなすこと、家具の組み立てや家電が壊れた時の対応、災害時に適切な判断をすること・・・

その他にも適切な服薬管理、定期的な精神科受診などもしていかなければいけません。

 

これらができれば地域で生活は何とかできるかもしれません。

しかし、すべてをできるようになって退院するとなると、退院できる人数はものすごく少なくなります。

病院は治療をする場所で訓練をする場所ではないからです。

そこで色々な制度を利用していきます。

 

 

 精神障害者が地域で暮らしていくために利用できる便利なサービス

訪問看護

まずは代表的ですが訪問看護です。

定期的に精神科の看護師が家を訪問し、心身の健康チェックや困ったことの相談に乘ります。

人によっては服薬の補助をするケースもあります。

お薬の預かりはできないことがほとんどですが、自分では服薬を拒否する人などは、訪問看護師が促し、目の前で服薬をしてもらったりもします。

簡単な助言もできるので、ゴミがたまっていたらゴミ出しの日を一緒に確認したり分別したり、食事が摂れていなければ残りのお金でお弁当が買えることを確認したり・・・

一人暮らしでも実家暮らしでも、利用すると心強い味方です。

利用はまずは主治医に相談してみると良いと思います。

 

 

デイケア

仲間もでき活動もでき食事もできる、日中の居場所となる精神科デイケアも忘れてはいけません。

デイケアは場所によって「就労支援」などに力を入れていたり、ゆったりと過ごせる「居場所型」のデイケアだったり、それぞれ特性があります。

デイケアには精神保健福祉士臨床心理士、看護師、作業療法士など多職種が働いていることが多いので、デイケア通所中に困ったことを相談することもできます。

こちらも利用希望はまずは主治医へ。

 

 

③ヘルパー

家事に不安がある、すぐにゴミ屋敷のようになる、などの問題がある場合はヘルパーを利用すると良いと思います。

部屋の片づけ、食事作りなどを一緒に行ってくれます。

 

 

④配食サービス

地域で暮らしていく上で大きな問題となるものの一つが食事です。

自分で食事を準備することができず、カップ麺ばかり食べている、というのはよくある話です。

上記に書いた「デイケア」や「ヘルパー」と組み合わせて配食サービスを利用する方もおられます。

デイケアの日はデイケアで昼食を食べ、週に1度はヘルパーさんが夕食を準備してくれ、週に1回は外食をして、残りは配食サービスで弁当を届けてもらう、などですね。

食事は生きる楽しみでもありますから、何個かのサービスと組み合わせて、食べ飽きないような工夫も必要です。

今は配達してくれるコンビニやファストフード店もあるので、1か月に1度はそれらを利用して気分を変える、なども良い手ですよね。

 

 

⑤地域活動支援センター

地域活動支援センターとは、地域で暮らす障害がある人の地域生活を支援するための施設です。

Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型とあり、それぞれ特徴が異なります。

地域の人との交流をメインにした場所や、機能訓練などを行う場所、入浴サービスを受けられる場所、レクリエーションがある場所など、機能は様々です。

 

まずは自分の家から最寄りにある地域活動支援センターに問い合わせたり、各自治体に問い合わせたりして特徴を知り、興味があれば見学をしてみると良いと思います。

 

気に入れば自分にとっての良い居場所になるかもしれません。

 

 

⑥日常生活自立支援事業

都道府県・指定都市社会福祉協議会が実施する、精神障害者認知症の高齢者など、ご自身で色々なことを判断・実行することが難しい方へ様々な援助を行うサービスです。

 

例えば、公共料金の支払いが一人でできない場合、銀行に同行したり通帳引き落としの手続きを手伝ったりしますし、必要な福祉サービスを一人で探して申請できない場合は、手続きに同行します。

一人暮らしを始めたばかりの時に、必要な家具を変えない時なども援助しますし、近隣住民とのトラブルなどを解決するために相談に同行したりもします。

とにかく、地域生活をする上で困ったこと、難しいことを一緒に解決していく、というサービスです。

 

私も実際にお話を聞かせていただいたことがありますが、訪問看護デイケアなどとも連携を取ってくれるので、本当に心強いです!

 

利用希望の場合は、お住まいの市町村の社会福祉協議会に連絡をしてみて下さい。

 

 

制度・サービスでかためた精神障害者の地域暮らし

いかがでしょうか?

福祉サービス・医療サービスは本当にたくさんあり、今日紹介したもの以外にも利用できるものはあります。

一人で自立できない状態の方は、食事・清潔・人とのコミュニケーション・金銭の支払い・服薬、これらを様々なサービスで援助を受け、地域で生きたいくわけです。

 

なんだか息苦しい、こんなので自立と言えるのか?という意見もあるかもしれません。

 

しかし、自立というのは人と比べるものではなく、自分のできる範囲のことを行う、ということだと思っています。

できない部分は周囲に手助けを求め、できる部分を自分でこなす。

そのできる部分は人によって異なるのは当然のことです。

 

だからこそ、このようなサービスを必要な方はどんどん利用して欲しいと思います。

 

実際に福祉・医療サービスを利用した生活の例を挙げておきます。

 

月曜日:デイケア(朝・昼食つき 夕食は宅配弁当) 入浴サービス

 

火曜日:午前中作業所 午後からヘルパー (朝は買い置きのパン 昼食は作業所で弁当注文 夕食はヘルパーさんと調理) ヘルパーさんと掃除やゴミ出し

 

水曜日:午前中作業所 午後から訪問看護 (朝は昨日ヘルパーと調理した食事の残り 昼食は作業所で弁当注文 夕食は宅配弁当)

 

木曜日:デイケア(朝・昼食つき 夕食は宅配弁当) 入浴サービス

 

金曜日:午前中作業所 午後からヘルパー (朝は買い置きのパン 昼食は作業所で弁当注文 夕食はヘルパーさんと調理) ヘルパーさんと掃除やゴミ出し

 

土曜日~日曜日:実家に泊まる

 

これは架空のケースですが、このような事例はたくさんあります。

ご家族も、実家に戻って来られるのはお世話ができないけど、週末に泊りに来るから受け入れる、というご家族も多いです。

色々な場所に所属していれば人間関係も広がりますし、誰かがSOSに気づいてくれます。

食事もデイケア・作業所・ヘルパー・実家、と飽きがこないよう栄養が偏らないよう配慮します。

 

たくさんの支援付ではあっても、退院して地域で生活されている患者様は表情がとても生き生きしており、自分の人生を歩きだしておられるんだな、と毎回感じるところです。

 

入院は必要な時もあり否定するものではありませんが、治療が終了すれば当たり前のように地域で暮らしていける、理想ではありますが少しずつ実現していきたいですね。