旅ごころブログ🐒

心理カウンセラーをしている筆者が心理学の知識を紹介するブログです。趣味の旅行で行ったおすすめスポットや飲食店の紹介もしていきます。

闇が深い暗い歴史を持つ精神科医療 長期入院から社会復帰の時代へ

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精神病院に長く入院していると、様々な弊害が生じます。

精神的な病気自体の治療はほとんど終了していても、住む場所がない、問題行動が収まらない、生活能力が低い、身寄りがいない、などの問題で退院できず、長期間入院する患者様は精神科には多いのです。

 

一般科だと長期入院と聞くと「10か月」「1年」くらいのイメージを持たれますが、精神科だと「10年」「20年」の方も多くおられます。

 

精神的な病気がひどい状態だった場合、入院をして薬の調整をしつつ療養をすることで驚くほど回復をすることもあります。

入院自体が悪いのではなく、あまりに長期になりすぎることで起こる弊害が大きすぎるのだと思います。

 

今日はそんな精神病院での入院治療の実際について書いていきます。

 

 

精神病院へ入院 どんな治療をするのか

薬剤調整

まずはやはり薬剤の調整です。

その方に合う薬を探すために医師や薬剤師が薬の調整を行います。

副作用がひどくないか、効果は出ているのか、などを身体的な検査や日常での行動を見ていくこと、患者様ご本人からの話しで判断していきます。

 

静養する

次に、精神状態がひどかったり、疲弊している場合には静養を優先していきます。

栄養士と調理師が作ったバランスの取れた食事を3食食べ、夜早く寝て朝はしっかり起きます。

病室も清潔に保ちます。

これらを看護師を中心に支援し、まずは心身を安定して休める安全な場所を提供するのです。

 

活動量を増やす

長期で入院をすると慢性的な運動不足になります。

 OT活動や院内の散歩などをして運動量・活動量を少しずつ増やします。

精神科の患者様は活動性が低下し、日中はほとんど寝て過ごす、という方も少なくありません。

自発的に病棟内を歩いたり、筋トレをしたりしていないと、退院後に気力や体力が回復しない、などの問題が起こります。

作業療法士や看護師が中心となって声掛けを行ないます。

 

自分の病気を理解する

自分の病気をまずは知識として理解することは、今後生活していく上で役に立ちます。

心理職が中心になり心理教育や個別カウンセリング、心理検査を実施します。

 

 

精神科長期入院者はどんな生活を送る?

精神科の入院病棟は特殊な世界です。

 

長期間入院している人や、病状が激しく悪い人もいますし、一般の社会ではないようなルールもあります。

 

入浴日もおやつを買いに行く日も決まっています。

 

そんな中で、診察やカウンセリングを受けたり、作業療法に参加したり、家族が面会に来たり、入浴や洗濯をこなしたりするわけです。

 

その方の年齢や病状に合わせて個別で支援を考えることももちろんしますが、これは病院によってどんなものがあるのかが異なります。

 

よくあるのは、中庭に花や植物を植える活動をしたり、ストレッチや筋トレを行なったり、音楽療法があったり、心身の機能を維持していくための活動をしています。

 

ちなみに、精神科病院、トラブルがとっても多いです。

おやつを盗った・盗られた問題は日常茶飯事ですし、チャンネル争いもよくあります。

これを話し合ったり我慢したりして解決していくことも、大切な治療の一つです。

 

 

精神科病院は闇が深い?人権侵害をしてきた時代から社会復帰の時代へ

さて、ここまで読んでいただいて「理解できない」世界だと思われた方、多いのではないでしょうか?

 

ほとんどの方は大人の患者様で、昔に働いた経験がある方もおられたり、結婚して子供を育てた方もおられたりしますが、喧嘩の内容がおやつやテレビのチャンネル争い・・・

若い方もおられるのに毎日入浴できなかったりスマホも持てなかったり・・・

 

普通では考えられないような生活を、精神科に入院している患者様は送ります。

そして働いている支援者たちも、「普通」の感覚を忘れてしまうことがあります。

特に日常生活を多く支援する看護師さんはそういう傾向が強くなります。

 

患者様が支援者の不適切な態度に腹を立てて怒ったとしても、その患者様が「興奮が強い」「感情が抑えられない」とされる場合も少なくありません。

 

精神科ではもう何十年も、患者様の人権を侵害するような医療とも呼べない医療が続いてきました。

 

もちろん今も、一般とはかけ離れた価値観が根付いているなど、閉鎖的であることは変わりがありません。

 

しかし、時代は確実に変化してきています。

 

今は長期入院ではなく社会復帰を前提とした短期での入院を目標とする病院が非常に増えてきています。

 

医療と福祉の結びつきも強くなってきました。

 

これまでだったら自宅での生活が困難と言われてきた人たちでも、訪問看護やヘルパーなどの社会資源を使用して地域で生活していくよう支援していくことや、病状が落ち着いた患者様が、生活で必要なスキルを訓練できる機会を提供したり、地域での生活を前提とした支援も増えてきています。

 

我々心理職にも変化が出ました。

今までは少なかった福祉領域で活躍する心理職も増えてきましたし、医療でも心理検査や心理カウンセリングだけではなく、デイケアの職員として心理職が勤務したりすることも出てきています。

 

長い歴史の中で、精神科に入院している患者様は社会復帰ができず、何十年も病院に入院し、そのまま亡くなっていく方もいました。

 

その暗い歴史から少しずつ変化が見えてきているのは、医療従事者としては期待で胸がいっぱいです。

 

まだまだ、劣悪な環境の精神病院はありますが、支援者の意識改善も各所で叫ばれており、新しい取り組みを始めた病院も多いと聞きます。

 

 

終わりに

精神科ではどんな人たちがどんな場所で生活しているのか、それらを閉鎖的に隠していては問題は何も解決していかないと思います。

 

今は病院のお祭りなどで地域の方たちが精神病院へ入れるようになっているところが多いですよね。

 

みなさんもぜひ一度近くの精神病院へ遊びに行ってみて下さい。

精神病院のお祭りは、患者様がこの日のために準備した作品や出し物があったり、すっごく楽しいのでおすすめです。