旅ごころブログ🐒

心理カウンセラーをしている筆者が心理学の知識を紹介するブログです。趣味の旅行で行ったおすすめスポットや飲食店の紹介もしていきます。

【社会心理学】あなたの他者への評価本当に正しいですか?いつも嫌いな人がいる、いつも恋におぼれてしまうのはなぜ?

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私たちは日々色々な人に出会います。

その中で「この人良い人だな」「この人嫌い」と、他者の評価を決めていきます。

教師や管理職などでは、この他者評価は仕事上でも重要なタスクとなりますよね。

偏見の目で見ず、平等に他者を評価しようと思っても、実はそれはとても難しいことです。

今日は社会心理学から、私たちがどのように他者を認知し、評価しているのか、その評価はどこで歪み、ミスをしてしまうのか、他者のどのような部分に魅力を感じるのか、について紹介していきます。

 

他者を評価する立場の方はもちろん、「自分はいつも人のことを嫌いになっている」「いつも騙される」「片思い歴が長い」など対人関係に悩んでいる方にもおススメの内容になっています。

 

 

対人関係

対人認知

対人認知とは他人のパーソナリティや感情などについて推測したり、判断することを指します。

要は「この人はこういう人なんだな」「この人はこう考えているんだろうな」と推測することですね。

 

対人認知を行う時に、私たちは無意識のうちに色々な処理を行っています。

 

①印象形成

Asch,S,Eは架空の人物の特徴をいくつかの形容詞によって提示し、そこから被検査者がどのような全体的な印象をもつのかの実験を行いました。

 

その結果、人はある人について断片的な情報しか得られなくても、印象形成に与える影響の大きい特性を核として、全体的な印象を形成することができることを明らかにしています。

 

印象形成に与える影響の大きい特性を「中心特性」といいます。

また情報の提示順序によって印象が異なることも明らかにし、最初のほうに提示された情報が印象形成に強く影響することを初頭効果と呼んでいます。

 

例えば、ある女性について「綺麗好き」「動物好き」「彼氏につくす」「友人が多い」という情報を得た時、「優しい人」「思いやりのある人」という印象を持つ人が多いかもしれません。

しかし当然ですがこの女性の特性は、それ以外にもありますよね。

それでもこれだけの情報を得ただけで、私たちはその人の印象を決めることができるのです。

 

「最初はこんな人じゃないと思っていたのに」

なんてことが起こるのはこのためですね。

 

また最初に聞いた情報が印象形成に強く影響する「初頭効果」

これは、ある上司が「新人に注意をした」、という情報を先に聞いた後に、「あの上司は厳しいけど面倒見が良い」という情報を聞くのと、「新人に注意をした」、という情報を聞く前に、「あの上司は厳しいけど面倒見が良い」という情報を聞くのでは、その上司への印象が異なってくる、というものです。

 

同じ情報でも聞く順番が変化するだけで、印象を左右することになるんですね。

 

②対人認知の歪み(バイアス)

他者に対する印象や評価は必ずしも適切ではなく、ミスをしてしまう場合もあります。

同じ生徒への評価が、教師によって異なったり、部下に慕われているとは言いがたい人物が上司には気に入られて出世をしていたり、ということは起こり得ることです。

 

以下が対人認知の歪みです。

 

・寛大効果

他者の望ましい側面は強調され、望ましくない側面は控えめに寛大に評価されやすくなる傾向

 

・光背効果(ハロー効果)

好ましいあるいは好ましくない特徴があると、その人の他の特徴についても、実際以上に高く、あるいは低く評価してしまう傾向

 

・中心化傾向

極端な評価を避け、評価が尺度の中央値に集まりやすくなる傾向

 

・気分一致効果

ポジティブな気分の時には良い評価を、ネガティブな気分の時には悪い評価をしてしまう傾向

 

ステレオタイプ

ある集団に属するメンバーへ抱かれる固定化されたイメージ

 

・暗黙のパーソナリティ理論

ある特性が他の特性と関連する、または関連しないという考え

 

これだけの数の「対人認知の歪み」が私たち人間には起こります。

 

かくいう私も、心理士として人と接する中で、その人を正しく知っていく、ということの難しさを痛感しています。

例えばハロー効果などは本当によく起こる現象です。

相手が非常に学歴も社会的地位も高い場合、知能検査の結果を出す時に「実際の結果よりも良い所見」を書いてしまう、などです。

 

どこかで「実際は数値よりももっと高いはずだ」と思い込んでしますのですね。

 

もちろんこれは許されることではないので、私たちは客観的な意見を聞くために、スーパーバイズというベテランの師匠に指導を定期的に受けたり、勉強会などで事例を検討したり、自分の対人認知の歪みに気づく機会を作る必要があります。

 

これは日常でも同じです。

例えば「自分にはこの人しかいない!」と思い込んでいる時に、友人や親の意見を聞いて冷静になる、ということはありませんか?

 

大切なのは、他者に対して絶対的に正しい評価などは私たち人間にはできない、ということを知ることです。

 

上記にあげた対人認知の歪みについて知り、適宜修正していく必要があるのです。

 

「部下への評価を一度見直してみようか」

「この子はいたずらばかりしているけど花の世話はよくやるって他の先生が言っていたな・・・」

「旦那はどうせこういう人間だって思っていたけど、本当にそうなのかな?」

 

などと、一度立ち止まってみると良いかもしれませんね。

 

③対人魅力

他者に対して好意や魅力を感じることを対人魅力といいます。

対人魅力の要因は様々あり、もっとも有名なのは「吊り橋効果」ですね。

心臓が恐怖によってドキドキしている時に、隣に他者がいるとそのドキドキを恋のドキドキだと認知してしまう、というものです。

 

その他にも私たちが他者を魅力的だと感じる要因はあります。

 

・近接性

物理的な距離の近さ

 

・熟知性

その人をよく知っているか

 

・類似性

自分と似た部分があるか

 

・身体的魅力

ルックスやスタイルが良いかどうか

 

 

この他にも、繰り返し経験することや出会う人に対して、好意が高まる「単純接触効果」や、自分に対して魅力的だと感じてくれた人へ、お返しのように魅力を感じたり好ましい感情を抱く「魅力の返報性」などがあります。

 

 

以上のように他者へ抱く印象は形成されていき、時には印象形成に誤りが生じますし、他者に対して魅力を感じる要因もあります。

 

人間がいかに社会的な生き物化が分かると思います。

 

他者を正しく理解するのは難しいことですが、一度立ち止まってみるのもおもしろいかもしれませんね。