毎日十分な睡眠がとれている人はどのくらいおられるでしょうか。
忙しくて寝る時間がない人もおられると思いますが、そもそも不眠症ぎみ、という方もおられます。
不眠症は現代病にもなってきているのです。
今日は不眠症について対策も含めて書いていきます。
不眠症とは
まず不眠症とはどのような状態のことを指すのでしょうか。
不眠症とは、入眠障害・中途覚醒・早朝覚醒・熟眠困難などの睡眠問題が1ヶ月以上続き、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの症状が出現する病気
とされています。
「眠れない」というだけではなく、途中で目が覚めてしまったり、朝早くに目が覚めてしまったり、浅い眠りしか行えなかったりと、様々な睡眠の問題を含んでいるんですね。
さらに「日中活動」に支障が出ていることも、不眠症の診断基準となっています。
眠れないの悪循環
一度「眠れないな」と睡眠の問題を感じてしまうと、そこから悪循環に陥ることがあります。
「昨日も眠れなかった」
「今日は眠れるかな」
「眠たいけど昼寝したら夜が眠れなくなる」
と、睡眠の問題で頭がいっぱいになってしまうのです。
ここから悪循環が始まります。
眠れない→不安になる→眠るために一生懸命になる→さらに気持ちが焦る→焦っているのでリラックスできない→眠れない
の無限ループです。
私の経験では、これが起こると本格的に眠れないことが苦痛の原因になってきます。
不眠症の人は睡眠にものすごく敏感です。
それも当然です。
十分な眠りを得られないことで起こる、日中のパフォーマンス低下は大きいですし、眠れないとイライラして気持ちが不安定になります。
さらに不眠は便秘や肩こりなどの身体的な苦痛の原因にもなるのです。
ただ、眠れないことにあまりに敏感になることで、不幸にも不眠症は悪化していくのです。
精神交互作用
この「眠れないと感じる」ことで、不眠症が悪化していく、というのはどういうことなのでしょうか。
精神交互作用の観点から説明していきます。
精神交互作用とは、簡単に言うと「症状を気にすることで症状に意識がいき、その症状がさらに気になることで症状が悪化する」ということです。
例えば、過呼吸持ちの人が、人混みなど過呼吸の要因になり得る場所に行き、過呼吸を恐れるあまり呼吸に意識がいき、そのことで動悸や息切れが出現し、結果過呼吸が誘発されやすくなる、といった流れです。
不眠症に当てはめると、眠れないということに意識が集中しすぎて、頭の中は睡眠のことでいっぱいになり、気にしすぎてさらに眠れなくなる、ということになります。
これが睡眠の悪循環のメカニズムです。
不眠症の症状の幅とは
不眠症の方の症状の幅はとても広いです。
本当にほとんど睡眠時間がとれていなかったり、不眠症のせいで日中活動が大きく障害されている重度の方もいれば、5時間程度は眠れている、という方もいます。
例えば以下のような状態をみなさんはどのように判断しますか?
朝方5時に就寝
昼の14時に起床
食事やゲーム、入浴、家事などをすます
身体がダルくやる気が起きない
夜の23時に不眠症の薬を飲む
眠れないのでゲームをする
朝方になり眠気を感じて就寝
この例だと、まず昼夜逆転をしているので、睡眠のリズムが大きく狂っています。
身体のダルさや、やる気の低下はそのことが原因の可能性が高いです。
そして昼過ぎまで寝ていたり、ゲームをしていれば眠気は当然やってきません。
このような例でも、「睡眠薬を飲んでいるのに眠れない」と真剣に悩んでいることはあります。
と言うよりも、このような生活習慣が問題で起きている「不眠症と自覚している人たち」は実は非常に多いのです。
他者から見ると
「そんだけ寝てたら眠れないでしょ」
「不眠症っていうけど10時間は寝ている」
「生活が乱れすぎているから身体も疲れる」
ということが分かるのですが、本人はそこに気づかず本気で不眠症に悩んでいるのです。
逆に6時間程度の睡眠でも満足して元気に活動をしている人もいます。
この例だけでも「不眠症は個人で感じる睡眠の質の差で苦痛度が変化する」という特徴が分かると思います。
不眠症を改善するために
次に不眠症を改善するポイントを書いていきます。
不眠症を改善するためには以下のことが改善点として挙げられます。
①生活リズムを整える
②刺激を抑える
③寝具を整える
④日中に運動をする
⑤身体の力をぬく
⑥睡眠薬を服用する
説明をしていきます。
①生活リズムを整える
まずはこれが大切です。
生活リズムが狂ってしまうと、例え眠れていたとしても、身体のダルさや疲れが取れない、といった状態になります。
夜に寝て朝に起きる、といったリズムを取り戻します。
そのためには、昼寝はほどほどにする、朝に日の光を浴びる、などが工夫できます。
②刺激を抑える
刺激とは、電気の明かりやテレビの音、携帯などの刺激のことです。
寝る前にベットで携帯をいじったり、寝る直前までテレビや電気をつけていると、身体や脳が眠る体制になりません。
電気をダウンライトにしたり、携帯をマナーモードにするなど心がけましょう。
③寝具を整える
寝具が合っていないと良質な睡眠が取れません。
枕が自分に合っているか、布団が季節に合っているかを確認してみましょう。
④日中に運動をする
これはとても大切です。
疲れていないと眠ることができないので、日中はなるべく活動量を増やしましょう。
簡単な運動からでも良いので始めてみて下さい。
⑤身体の力をぬく
緊張していると眠りにくくなります。
ストレッチをしたり呼吸法をすることでリラックスし、眠りやすくなります。
⑥睡眠薬を服用する
どうしても眠れない時は医師に相談をし、睡眠薬を服用することを検討します。
まずは上記のことを試してみること、そして「寝ないといけない」と思いすぎないことも大切なです。
寝れないならそれでも良いや、くらいの気持ちでいたほうが逆に安心して眠れたりします。
気にしすぎると余計に眠れなくなる悪循環に陥ってしまうのです。
睡眠は毎日のこと。
適切な睡眠時間も諸説あり、いったい何が正しいのかも分からなくなりますし、自分が眠れていないことに焦りを感じてしまう人もいると思います。
基本的には自分が心地よく過ごせているかどうかが判断基準になります。
不眠症の定義にも「日中活動にい支障が出ている場合」とありましたよね。
仕事中や運転中に眠気がくる、身体がだるい、などの状態になれば睡眠時間が足りていないことが原因となるかもしれません。
まずはゆったりと心地よく眠れる空間を作ってみてはいかがでしょうか。
リラクゼーションに関しては以下の記事が参考になると思います。