京都アニメ会社で放火事件が起こりました。
その概要はまだ明らかにされていませんが、このような大きな事件が起こった時に、みなさんの心にも想像以上にダメージが出てしまいます。
今日は京都アニメーションの放火事件と一緒にPTSDについて考えていきます。
京都アニメーションでの放火事件
京都アニメーションは「涼宮ハルヒの憂鬱」を皮切りに、「けいおん!」などの社会現象を起こすほどの大ヒットアニメを制作した会社です。
クオリティーの高いアニメを自社制作で作っていた、非常に質の高い会社として有名です。
今回の事件では33人が亡くなり、重傷者も10人以上出たとのことです。
容疑者の男性は、アニメ会社に恨みを持っていたような話をしていたようですが、まだ何が起こったのか明らかにはされていません。
ニュースを見ていると、被害者の方の悲痛な姿や、火傷をした姿が映し出されていました。
私は心理カウンセラーなので、このような大事件が起こると、被害者の方、そのご家族、周辺住民の方、また報道を見た方たちの心がとても心配になります。
悲惨な事件は被害者の方やご家族、事件を目の当たりにした周辺住民の方たちは当然ですが、救助に当たった方、報道を見た方たちの心にも傷を残すことがあります。
今はとにかくこの事件の解明と、怪我をされた方達の治療が優先されますが、PTSDなどの事件後に起こる心の病気へも支援が必要になってきます。
PTSD
PTSDとは心的外傷後ストレス障害、と呼ばれます。
危うく死ぬ、または重傷を負うような外傷的出来事を経験した後に生じる疾患で、以下のような症状が見られます。
・再体験症状
外傷体験がまさに今起こっているかのように、その時の情動が蘇ってくるフラッシュバックや、悪夢を見るなどの症状です。
・回避症状
出来事を連想させる場所や行動を避ける行動を取ります。
夜道に事件に巻き込まれたら、夜や暗い場所を避けたりします。
・認知と感情の否定的変化
考え方や気持ちが否定的なものに変化します
・慢性過覚醒症状
気持ちが昂り、眠れなくなったり多弁になったりします
これらの症状が1ヶ月以上続き、苦痛と生活上の支障を来す場合に診断されます。
実際に外傷的出来事を体験した方はもちろん、見聞きした場合や自分の身近な人に起こった場合も、一時的に上記のような症状が出る場合があります。
これらは、自身の安全感が揺らいだ時に起こる症状となります。
私たちは普段の生活で、自分が危険にさらされる、と強く自覚することはありません。
しかし、大きな事件や事故に突然巻き込まれた時に、自分が安全である、という感覚が奪われます。
ニュースで報道を見ただけでも症状が出るのは、「こんなことが起こったらどうしよう」「明日も安全で生きていけるだろうか」と不安を刺激されるからです。
そのため、 PTSDの治療も予防も「安全感」を取り戻すことが必須です。
安全感を感じるためのセルフケア
PTSDと診断を受けた場合は、医療機関で薬物療法とカウンセリングで治療を行うのが一般的です。
PTSDを予防する場合は、このような事件や事故が起こった時に、安全感を感じるためのセルフケアが効果を発揮します。
以下にセルフケアの記事を載せていきます。
事件・事故が起こった時の心のケア 心理教育、防衛機制ってなに??周囲にできることはある??
事件や事故が起こった後に心にどんなことが起こるのかを書いています。
周囲がその人をどのように支えるのか・・・それらの情報も書きました。
リラクゼーション技法~苦しい状態を成長へとつなげるスキルを紹介~
突然起こる事件や事故は防ぎようがないことがほとんどです。
しかし、その後に自分を労わりリラックスさせてあげることで、心の病気を防いだり、穏やかな日常を取り戻す助けをすることができます。
たくさんのリラクゼーション技法をのせています。
ぜひ試してみて下さい。
心身を整える方法5選 日常で行える方法を紹介します
心身を整えることで、過覚醒状態などはある程度穏やかにすることができます。
日常の健康管理にもぜひ。
おわりに
PTSDを発症すると専門家と一緒に安全に治療を進めていくことがとても大切です。
今日紹介した方法はあくまで予防であり、セルフケアですが、安全感を失っている日常生活の中で、リラクゼーションなどを行い、安全を感じることが治療に役に立つこともあります。
大きな事件が起こりました。
年号が変わってから大きな事件、事故、悲しい虐待のニュース、苦しい出来事が絶えません。
それらに心を痛めておられる方も多いと思います。
日常の中でのセルフケア、ぜひ試してみて下さい。
少しでも心が楽になるかもしれません。
今回の事件で命を落とされた方のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
そしてけがをされている方の一日でも早い回復を祈っております。