依存症治療は入院や通院で医療で行うことが多いですが、在宅での生活を変化させることも大切になってきます。
今日は自分や家族が気を付ける、依存症治療中の生活について書いていきます。
冷蔵庫には何が入っていますか?
家の中の環境を整えることはとても大切です。
夏の暑い日に冷蔵庫の中にビールが入っていたら・・・飲みますよね?
当然の結果です。
部屋の中に薬物を使っていた時の道具がある場合も一緒です。
ビール券、注射器、お酒の空き缶、ストックのお酒、それらすべてを処分しないといけません。
「今あるものがなくなったらもう買わない」
という言葉はよく聞きますが、これは無意識のうちにアルコールを止めることへの未練が残っているのです。
目の前に依存対象があって我慢をすることは不可能です。
依存対象は必ず捨てましょう。
そして例えばアルコール依存症であれば、冷たいジュースを冷蔵庫に入れておくなど、変わりのもので満足ができるように工夫をしましょう。
生活の中に引き金はありませんか??
引き金とは、「アルコール(薬物)を使いたくなるきっかけになるもの」です。
下記は引き金について詳しく書いている記事です。
例えばいつも通る道に、よく行っていたパチンコ店はありませんか?
ギャンブル依存症の方は、パチンコ店、スロット、ゲームセンター、パチンコで使われている音楽などは要注意です。
道を変える、ギャンブルに関係がある音楽は聴かない、など引き金を遠ざける工夫をしましょう。
趣味と依存物質がセットになっている場合も要注意です。
釣りをしながら飲酒をしていた方などは、今後趣味の釣りを続けるのかどうか検討が必要です。
続けるのであれば、対処は必ずしていく必要があります。
お酒を買うお金を持っていかない、水筒に冷たいお茶を持っていき喉が乾かないようにする、断酒を応援してくれている人と一緒に行く、などですね。
他にも仲間とBBQをしたり飲みに行くことが趣味だった、という人は、断酒と同時に交友関係を切るというのは悲しいものです。
それでも断酒のために、交友関係を切る人もいます。
依存症は時に命を奪うほどの病気だからです。
交友関係を続けるにしても、運転手になる、断酒宣言をする、抗酒剤を飲む、など必ず対処をして下さい。
引き金をすべて排除することは不可能です。
特にお酒やギャンブルの引き金は、いたる場所にありますからね。
だからこそ上記に書いたように具体的な工夫をします。
内的な引き金の場合は?
例えばストレスが原因で飲酒をした、などの内的な要因が引き金となっている場合はどうするのでしょうか。
私は心理カウンセラーの立場で、「依存物質以外でストレス対処」ができるよう、ストレスマネジメントを行うこともあります。
「孤独」「引きこもり」「うつ」「不眠」「イライラ」
人間は様々な感情を日々経験しますが、時にその感情を自分の力で処理できなくなることがあります。
そんな時にたまたまアルコールを飲んだ、薬物をした、スロットに勝った、などで嬉しくなったりすっきりしたりしたとしたら・・・
もう一度嬉しい気持ちになりたくて、「今日もお酒を」「もう一回だけ薬を」と依存物質を求めてしまうのです。
あなたは何に満たされていませんか??
今後はその満たされていない部分を、依存物質以外で満たしていく必要があります。
一番を探す必要はない
アルコール依存症の人に、「あなたが一番好きなものはなんですか?」と聞くと、「酒」と返ってきます。
お酒をやめるためには、お酒以外の好きなものを探す必要がありますが、一番好きなものはやはりお酒なのです。
一番でなくても大丈夫。
2番目に好きなものでも良いんです。
その変わりたくさん見つけて下さい。
2個、3個、4個、5個と、自分が依存しているもの以外で好きなもの、ストレス発散できるもの、生きがいを感じられるものをたくさん見つけることで、1番好きなものがなくても充実した人生を過ごすことはできるのです。
依存症治療は今後の人生を考えること
依存症の治療は我慢の連続です。
一番好きなもの、一番わくわくするものを断ち切る、それを一生涯続けるのです。
今後あなたがどのように生きたいのかを考えることも必要です。
何かしたいことはありませんか?
昔好きだったことはありませんか?
行ってみたい場所はありませんか?
依存対象以外のものを考えてみて下さい。
もし何かが見つかれば、ぜひやってみて下さい。
そのように生活を改善していくことが、依存症の治療に役立つと思います。
おわりに
依存症治療は医療との繋がりは必須ですが、自分の生活を改善することも重要です。
家族と相談しながらぜひ健康的で楽しい生活を作っていってみて下さい。