旅ごころブログ🐒

心理カウンセラーをしている筆者が心理学の知識を紹介するブログです。趣味の旅行で行ったおすすめスポットや飲食店の紹介もしていきます。

赤ちゃんの絶叫は世界の崩壊を感じている?お母さんのお世話で基本的信頼感を獲得

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赤ちゃんの心理的な発達は身体的な発達とは異なり、目で見えるものではありません。

近年は赤ん坊は私たちが思っているよりも、よく多くの能力を有していることが分かってきています。

今日は赤ん坊の心理的発達について書いていきます。

 

 

 

赤ちゃんの絶叫の意味

私たちは苦痛な出来事があってもめったなことでは泣き叫びません。

例えば上司に怒られた、妻と喧嘩をした、などでは泣き叫ぶまではしないですよね。

また5歳程度の子どもも、おもらしをしても、泣き叫んだりはしないと思います。

しかし、大切な人を亡くしてしまうと、私たち大人でも泣き叫ぶこともあります。

ここに赤ちゃんの絶叫の意味が読み取れます。

 

私たちは苦痛が永遠に続かない、ということを知っているから泣き叫ばずに我慢ができます。

上司の怒りはいつか収まりますし、妻の機嫌もいつかは治ります。

5歳の子どもも、おもらしをしても着替えればすむことを知っています。

そのため、泣き叫ばずとも「耐える」ことができます。いつか終わるのですから。

しかし、大切な人を亡くすともう帰ってこないし、その悲しみから立ち直れるのか・・・と途方に暮れるので泣き叫びます。

 

赤ちゃんも同じです。

赤ちゃんは、空腹などの自分の生命を脅かす様々な不快が「終わる」ということを知りません。

 

このまま永遠にこの不快な状態が続いていくのではないか・・・という感覚。

これはよく「崖から落ちる。着地地点のない崖を永遠に落ち続ける」感覚だと言われています。

 

これはものすごい恐怖ですよね。

永遠に落ち続ける感覚です。

精神疾患の発症も、この「永遠に落ち続ける」という感覚に似ている、と多くの手記から分かっています。

 

私たちはみな、赤ちゃんだった頃に、この「いつ終わるか分からない苦痛」「永遠に続く落下」を経験し、絶叫しているのです。

 

そしてそのすざましい苦痛を救ってくれるのは、養育者からの世話です。

 

赤ちゃんは養育者から世話をされることで、「いつかこの苦痛は終わる」ことを学習します。

そしてそれが「安心感」に繋がります。

 

おしめが濡れて絶叫するけど、新しいものに変えてもらい「気持ちが良い」と感じる。

お腹が空いて絶叫するけど、ミルクをもらい空腹を満たすことができる。

 

このように養育者がかいがいしく世話をすることで、私たちは「苦痛はいつか終わる」と学びます。

 

これが「我慢する力」を育てるんです。

終わりのない苦痛には我慢できませんからね。

終わりがあることが分かるから、私たちは我慢できるのです。

 

 

基本的信頼感

そしてこの時期、養育者からの愛情あふれる世話によって、私たちは「基本的信頼感」という感覚を獲得します。

 

基本的信頼感とはエリクソンという心理学者が提唱した発達理論です。

基本的な信頼感を獲得することで、「どうやら世の中は基本的には安全で、自分は基本的には愛されているんだな」という感覚を得ることができるのです。

 

この感覚は、大人になっても必要なもので、基本的信頼感を獲得できていれば、多少の困難は心理的には乗り越えることができます。

 

人間は本当にそのままだと弱いものですね。

養育者から世話をされることで、心が育っていくのです。

 

 

良いお母さんと悪いお母さん

これは発達心理学でよく使われるたとえです。

 

母乳で育てている場合、母乳が出にくい時、赤ちゃんが上手く吸えない時があります。

この時赤ちゃんは「悪いお母さん」という人物から授乳を受けていると思っています。

そして逆に母乳がよく出る時、上手く吸える時には「良いお母さん」という別の人物から授乳を受けていると思っているのです。

 

これは「部分対象関係」と呼ばれるものです。

 

赤ちゃんは自分が生きていくために、自分の欲求を満たしてくれるものを「良い」、満たしてくれないものを「悪い」と感じるのです。

 

 

そこから少しずつ、自分の欲求を満たしてくれる人も、すべてを満たしてくれない人も、どうやら同じ母親であることを受け入れることができるようになってきます。

 

この心が育つと、人の都合や気持ちに目がいくようになるんですね。

 

大好きな人には良い部分、悪い部分があり、時には自分の欲求を満たしてくれない時もあるけど、それも含めてこの人なんだ、と学んでいくわけです。

 

ボーダーライン、境界性人格障害の人たちはここの部分の病気です。

 

良い部分を理想化して持ち上げますが、悪い部分を見つけると耐えられなくなり、関係を維持できなくなります。

良いところも悪いところも含めてあなた、という感覚が持てていないのです。

 

赤ちゃんの世話は心も育てる

子どもを養育されている方は本当にすごい苦労をされていると思います。

赤ちゃんはおしっこをしただけで、永遠の苦痛を感じて絶叫します。

それは「世界の崩壊」とも呼ばれています。

 

何も知らない赤ちゃんからすると決して大げさではありません。

 

養育者の世話はそんな赤ちゃんに安心を与えるものなんですね。

 

そしてその安心が、赤ちゃんの心を育てるのだと思います。

 

赤ちゃんは究極の欲の塊です。

生きるため、空腹、眠気、不快を我慢しません。

これは当然ですよね。

我慢すると、あの小さな身体は生きていけませんからね。

 

その欲の塊から、人間において非常に重要な「心」を育てるのが育児の重要な役割です。

 

母親、父親、祖母、祖父、保育園幼稚園教育関係者、赤ちゃん、子どもの養育に関わる方たちを心から尊敬しています。

 

 

おわりに

いかがでしたか?

今日は何だか学問的な話になりましたが、赤ちゃんの絶叫にも大切な意味がある、ということですね。

発達心理学の小話でした。