旅ごころブログ🐒

心理カウンセラーをしている筆者が心理学の知識を紹介するブログです。趣味の旅行で行ったおすすめスポットや飲食店の紹介もしていきます。

事件・事故が起こった時の心のケア 心理教育、防衛機制ってなに??周囲にできることはある??

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みなさんこんにちは。

災害や大きな事件、事故など、自分のコントロールできない出来事は突然に起こります。

学校や企業、デイケアなどの集団の中で、このような心を震撼させるような出来事が起こった時に、その集団内にいる心理職に何ができるでしょうか。

今日はそんなお話しです。

 

 

「心理職にできること」

大規模災害などの場合は、心理支援よりもまず生きるための物理的な支援が優先されます。

これについては今後詳しく書いていきます。

今日は学校やデイケア、企業などで行う心理支援について書いていきます。

 

学校やデイケア、企業などで大きな事故があったり、誰かが亡くなった場合、そこの集団に属している人たちは心理的にダメージを追います。

ダメージの表れ方は様々で人によって異なることは言うまでもありません。

亡くなった方や事故への関係の近さによっても異なりますし、同じ出来事でも人により感じ方は異なるので、まずはそこを頭に入れて支援する必要があります。

また大規模災害とは異なり、心理支援は早期に入ることが多いのも特徴です。

 

 

「どんなことをするの?」

まずはショックが出来事が起こった時に、私たちの心身は様々な反応が出る、ということを心理教育としてお伝えします。

もちろん先程お伝えしたように、反応の出方は人それぞれで多種多様である、ということも伝えていきます。

これはなぜかと言うと、反応の出方によっては自分自身を責めてしまうような場合があるからです。

まずはどんな反応が出るのかを見ていきましょう。

 

・気分の落ち込み

とても辛い出来事、驚く出来事が起こった時に当然出る反応の一つです。

この場合「一番辛いのは自分じゃないのに落ち込むなんて申し訳ない」「みんな頑張ってるんだから自分だけ落ち込んではいけない」と自分を責めてしまうことがあります。

 

・辛い出来事に関連する夢を見たり頭から離れなくなる

亡くなった方が夢に出てきたり、出来事が頭から離れなくなります。

それに伴って、不眠や日中の疲れなどが出る場合もあります。

 

・気分が高揚する

ショックな出来事が起こったのになぜか気分が高揚する場合もあります。

これに伴って早朝覚醒や活動量が普段の倍になる、などの状態になることもあります。

気分が高揚する場合、周囲から「不謹慎だ」と責められたり、「なんでこんな時に自分はテンションが上がってるんだ‥」と自分を責めたりしてしまいます。

 

このような様々な心身の反応をお伝えするのですが、ここでのポイントは‥

 

反応は人それぞれ

どんな反応が出ても周囲や自分を責める必要はない

どんな反応もあなたが自分を守るために行っている「防衛」なんです

それだけ、大変なことが起こったということです

 

という部分を明確に伝えていくことです。

 

先程あげた様々な心身の反応は、時に罪悪感を感じたり、周囲から不謹慎と言われたりしますが、実はどれもショックな出来事が起こった時に自然に起こる反応なんです。

 

そしてこの「自然に起こる反応」は時間とともに少しずつ収束していくのですが、長い間続くと、「反応」が「症状」に変わってしまうんですね。

そして「反応」の収束を助けるのがここまで書いた心理教育になるわけです。

 

まずは自分や周囲の反応が、ショックな出来事が起こった時に、自分の心を自分で守ろうとする「当たり前の反応」ということを認識することが大切です。

 

私たちの心は本当はとても弱く、日々の様々な出来事にショックを受けます。

そのまま出来事を受け止めると心が壊れてしまうので、無意識のうちに「防衛」しているんです。

 

これを心理学では「防衛機制」と呼んでいます。

 

防衛機制にはたくさん種類があり、最もよく使われているものの一つとして「身体化」があります。

ストレスが溜まった時などにお腹が痛くなったり、頭痛がひどくなったりした事がある方は多いと思います。

これは心の苦痛を身体が変わりに感じてくれている「健康的な」防衛機制です。

上の「反応」の中で考えると、悲しいはずなのに気分が高揚するのは「反動形成」という防衛機制です。

 

このように私たちは日常的にも心を守るために防衛機制を用いますが、ショッキングな出来事が起こった時も防衛機制を使って心を守ろうとするんですね。

 

ストレス時にどのような防衛機制を用いるかは個人によって異なります。

個々人のクセがあるからです。

だから同じショッキングな出来事でも、それぞれ反応が異なるわけです。

 

以上のような心の仕組みをお伝えし、認識してもらった後には、リラクゼーション技法を練習することが多いです。

 

ラクゼーションは安心感を得たり焦る気持ちを落ち着かせる効果もありますし、動悸や息切れにも効果的です。

不眠の時の対処法にも使える方法です。

 

ラクゼーションでは「呼吸法」や身体の力をぬいていく「筋弛緩法」をお伝えしています。

ラクゼーション技法については下記の記事をご参照ください。

自分で自分の心を整えるための技法を数個、載せています。

 

www.ntan.work

 

 このようにリラクゼーション技法をお伝えするのは、みなさんが家に帰った時や、日常でしんどさを感じた時にいつでも技法を用いて、自身の心身を良い状態に保てることを目的としています。

私たち心理カウンセラーは、みなさんの日常には入っていけないことがほとんどです。

ですので、みなさんがみなさん自身の心のケアをできるよう、心理学の知識をお伝えするのです。

 

 

「周囲の人間ができることは?」 

これはよく聞かれる質問です。

大切な人が属する集団で、不幸な事故や事件が起こっただけでも衝撃的なのに、そのことで大切な人が落ち込んだり、自分を責めているとなると、周囲の方たちも心が痛いですよね。

周囲にいる方たちは、その方のことを私よりもよくご存じだと思うので、いつも通りの関わりでも良いのだと思います。

しかし、それでもその中に少し工夫ができれば良いですよね。

 

まずは、上記に挙げたような反応(上記に挙げた以外でも人によって様々な反応は出ますが)は、過剰に落ち込んだり不謹慎に騒いだりしているわけではなく、自然な反応なんだ、と周囲の方たちも認識してあげることは大切かと思います。

反応を抑制しようとすると、かえって反応が大きくなることもありますし、涙が出るのと同じように、自然な反応なんだ、と認めてあげて、過剰に心配することも、止めようとすることもしなくて良いと思います。

お子様になると、なかなか自分の感情を言葉にできないので、特に反応として示しやすいと言われています。

お子様自身も自分の反応に戸惑っている場合もあるので、そのような場合は「変なことじゃないよ」「悲しいことがあった時にこういうことが起こるんだよ」と優しく伝えてあげても良いと思います。

 

そして「普通の生活」をすることも大切ですね。

気分転換に旅行、外食、とするのも良いんですが、大変なことが起こった時には普段の日常を取り戻すことを優先するほうが回復は早いと言われています。

直接的であれ、間接的であれ、衝撃的な出来事が起こると、「安全感」が失われます。

安全感はそもそも普段の日常の中にあります。

私たちは朝が来て、母親が作ってくれた朝食を食べ、自分の属するコミュニティに通い、友人と関わる、そんな当たり前の日常が明日も来ることを疑いません。

いつもの当たり前の日常を疑わないのは、私たちがその日常に安心感や安全感を持っているからです。

衝撃的な出来事が起こると(非日常が起こると)、安全感は失われる・・・想像するとお分かりですよね。

だからこそ、普段の当たり前の普通の日常を送ることが、心の安定に役立つんです。

 

 

「まとめ」

最後に今日の記事のまとめです。

ショッキングな出来事が起こると私たちの心身は様々な反応を起こします。

その反応は人それぞれ異なりますが、どの反応も自分の心を守ろうとする防衛機制となります。

防衛機制の種類はたくさんあり、人によりどのような防衛機制を用いるのかは異なるので、自分や他者の反応を責める必要はありません。

ショッキングな出来事が起こった後に、普段と異なる状態になった時は、「ああ、ショックを受けた自分の心自分で守ろうとしているのか・・・」と認識してみて下さい。

そして自分を責めずに、少し休憩してみるのも一つです。

呼吸法などのリラクゼーション技法も効果的です。

 

不幸な出来事は突然起こりますが、知識を持っていると対応も変わってきますよね。

少しでもお役に立てば幸いです。

 


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