旅ごころブログ🐒

心理カウンセラーをしている筆者が心理学の知識を紹介するブログです。趣味の旅行で行ったおすすめスポットや飲食店の紹介もしていきます。

教育現場の心の支援 時代は医療中心から家庭、教育、心理、医療、福祉の包括的な支援へ

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皆さんこんにちは。

最近は企業でも学校でも心の健康に関心が集まり様々な支援が行われています。

企業や学校は病院とは違い、病気の治療に焦点を当てません。

むしろ健康な人にも心の支援が行き届くように工夫が必要な領域になります。

学校は集団の場で、そこの中には見えないヒエラルキーが存在していたり、ある意味特殊な場所ですが、今後長く続いていく「集団生活」のはじまりでもあります。

その中でいじめや不登校発達障害など、様々な困難や出来事が起こりますよね。

教育現場での心のケアはどのような仕組みのもと行われているのでしょうか。

今日はそんなお話です。

 

 

もくじ

・3段階の心理教育的サービス

・教師・保護者との協力

・4種のヘルパー

・おわりに

 

 

「3段階の心理教育的援助サービス」

まず教育現場は「学ぶ場所」です。学校は「教育」を提供しています。

当たり前ですがここは大切なポイントです。

教育現場での心理的サービスは主に「学校適応」を目的としています。

このように書くと、不登校などで学校に行けない、または行かないと選択した生徒がサービスから外れてしまうように聞こえると思いますが、当然そうではありません。

教育現場で働く心理職は「スクールカウンセラー」と呼ばれますが、スクールカウンセラーの仕事には、学級・学校における予防開発的援助と、問題対応の2つがあるとされています。

 

①一時的援助サービス

この一時的援助サービスは「すべての子ども」を対象に行う発達促進的・予防的な援助サービスです。

例えば「心の健康教育」はこの一時的援助サービスの一つです。

授業の中でストレス対処法を実施したり、コミュニケーションの練習であるSST(ソーシャルスキルレーニング)を行ったりします。

私はスクールカウンセラーをしていた時に、定期的に子ども達とストレスについて学ぶ教室を担当していました。

学校ではいじめが問題になることが多いですが、いじめについての研究では、いじめをする生徒のストレスが高いことが分かっています。

生徒たちにストレスの正しい知識とその対処法を伝えることは、いじめ予防の観点から見ても大切なことです。

その他にも、発達障害を持つ生徒だけではなく、すべての生徒が「わかる・できる」授業作りの支援なども、この一時的援助サービスに含まれます。

 

②二次的援助サービス

ここでは登校しぶり、学習意欲の低下、学級での孤立など、学校で苦戦しはじめている生徒が対象です。また転校生など苦戦する可能性が高い生徒も、二次的援助サービスの対象に含まれます。

一時的援助サービスとは異なり、「一部の子ども」が対象になるわけですね。

ここでは子どもの困難に早く気づき、早期のうちに介入することが大切になってきます。

スクールカウンセラーは子どもが日常を過ごす学校場面で一緒に時間を過ごしながら、子どもの異変に気づき、教師や保護者と協力して生徒を援助します。

そのため、二次的援助サービスでは個室での面談よりも、授業に一緒に参加する、部活に参加する、などの集団での関わりが大切になってきます。

 

③三次的援助サービス

ここでは「不登校」「いじめ」「非行」「虐待」などの問題を抱えている、特別なニーズを持つ「特定の子ども」が対象の援助サービスです。

問題を抱えている一人一人の生徒の話を聴き、問題状況を整理することからはじまります。

どのような問題があるのかを確認し、心理学的にアセスメントを行い、具体的な援助内容を組み立てます。

ここでも教師や保護者との協力は欠かせません。

心理的支援者や教師、保護者がチームとなり生徒の問題解決を目指します。

 

学校現場での心理的支援は「学校適応」が主な目的となる、と書きましたが、すべての生徒が対象になる一時的援助サービスは学校現場の心理的支援の基盤となります。

その中で、生徒それぞれのニーズに応じた二次的・三次的な援助サービスを組み合わせていく、というイメージでしょうか。

 

 

「教師・保護者との協力」

教育現場では当然教師との協力は欠かせません。

心理的援助者は生徒と関わる機会が限定的なので、だからこそわかることもあるのですが、教師から見た生徒の見立てと、心理的支援者から見た生徒の見立てを組み合わせた支援計画を立てることが重要です。

また、生徒たちの生活の基盤である家庭生活を一番良く知る保護者との協力も、当然欠かせません。

このように教育現場での心理的支援は、生徒を取り巻く保護者・教師・心の専門家、など多数が協力体制を作り行うんですね。

このような援助者たちを「4種類のヘルパー」と呼んでいます。

 

 

「4種のヘルパー」

・ボランティア的ヘルパー

友人や地域の隣人など、職業上や家族としての役割に関係なく、自発的に生徒の援助を行う者を指します。

悩みを友人に聴いてもらい楽になった、一緒に遊んで元気になった、などの経験は誰しもありますよね。

 

・役割的ヘルパー

役割の一つ、あるいは一側面として生徒の援助をするも者を指します。

保護者は親としての役割と援助者としての役割を持ちます。

親として家庭で子どもに食事を作ったり、一緒に勉強したりすることと同時に、問題に直面した生徒は保護者が一番の安心する人であることは多いです。生徒が助けを必要としている時に、もっとも身近で関われる存在でもあります。

 

・複合的ヘルパー

職業上の複数の役割に関連させながら、その一つ、あるいは一側面として生徒を援助する者を指します。

教師は生徒を指導しながら援助する複合的ヘルパーであり、仕事の幅が非常に広いです。

 

・専門的ヘルパー

心理的支援をおもたる仕事としている者を指します。

生徒指導・教育相談担当の教師や、特別支援教育担当の教師、擁護教諭、スクールカウンセラーなどがこれにあたります。

 

当然のことですが、どのヘルパーが上、などの上下関係は一切ありません。

大切なのは生徒を包括的に支援するために、多種多様の関係者が関わることであり、対等な立場で協力関係を作ることです。

 

 

「おわりに」

いかがでしたか?

教育現場での心の問題は気づかれにくく、思春期の子ども達は自身の不調を周囲に隠す場合もあります。

そのため積極的に生徒の輪に入る役割も、少し離れた位置で見守る役割も必要になってくるんですね。

不登校やいじめだけではなく、発達障害を持つ生徒への支援も、医療が中心だった頃からは変化してきていて、学校と家庭、必要に応じて医療や福祉が協力して行うようになってきています。

心の問題が急増している近年、支援体制も変化してきているんですね。

もしみなさんのお子様や身近な子どもが、成長過程で起こる心の困難に直面していたら、おひとりで抱えずに様々な支援を活用してみて下さい。

 


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