皆さんこんにちは。
最近は企業でさせていただく講義で「ストレス」に次ぎ依頼の多い項目として「コミュニケーション」が挙げられます。このブログでもコミュニケーション技法をどんどんアップしていきたいと思います。
自分も相手も大切にするアサーションの記事は下から
夫婦・カップルで上手に付き合う方法は下から
さて、今回は聴き上手になる技術について書いていきます。
もくじ
・気持ちのトーンを合わせよう
・相手の話す意欲を高めよう
・メッセージを共有しよう
・おわりに
「気持ちのトーンを合わせよう」
まず紹介したいのは「ペーシング」と「ミラーリング」という技術です。
・ペーシング
これは相手と波長を合わせるための技術です。
一緒にいて何だか気が休まる、楽な人っていませんか?
話や趣味が合う、なども大切な要素ですが、「波長が合う」というのも重要なんです。
趣味も育った環境もまったく違うのに何だかこの人とは一緒にいて楽だ、と感じるのはもしかすると波長が合うのかもしれません。
このペーシングはまさに相手と波長を合わせていく技術なんですね。
ペーシングをする場合、相手の呼吸や話し方を観察してそのペースに合わせていきます。
相手の話し方を観察してペースを合わせるのですが、これはとても難しいことです。
コツとしてはまずは話す速度からペースを合わせてみて下さい。ゆっくり話す人にはこちらも速度を落として、穏やかに静かに聴きます。早口の人にはてきぱきと対応をしてみて下さい。すべてを相手に合わせられなくても、うなづきや相槌の速度を変えてみるだけでも効果はあります。
ペースの次には相手の話し方に注目してみましょう。
丁寧にかしこまった話し方をする人には同じように丁寧に対応すると良いかもしれませんし、くだけて明るい雰囲気で話す人にはこちらも丁寧語であっても明るく接してみても良いと思います。
これが「ペーシング」です。
相手と波長を合わせるためには、速度や話し方を合わせるペーシングと同時に「ミラーリング」も使ってみて下さい。
ミラーリングは相手のしぐさや動作をまるで鏡に映したかのように真似る技法です。相手が身を乗り出したら自分も似たような姿勢を取ったり、飲み物を飲んだら自分も飲む、などですね。もちろんさりげなく行うことが大切です。
筆者は相手の動作まで真似ると不自然になりそうなので、姿勢だけ真似ることが多いです。
相手が姿勢を正していれば自分も正すし、少しくだけた様子であればこちらも緩めます。
私たちは他者と異なれば不安になるし、同じであれば安心する傾向が少なからずあります。
ペーシングやミラーリングで一体感や親近感が生まれてくると、相手も安心して話をすることができるのです。
「相手の話す意欲を高めよう」
相手の話す意欲を高めるためには傾聴の基本をマスターすることが大切です。
傾聴とは、簡単に言うと相手の話に腰を据えて耳を傾けることです。相手にきちんと話を聴いている、というメッセージも伝えると相手も「聴いてもらった」という満足感を得やすいです。
「うなずき」「あいづち」を用いると効果的ですね。
うなずきは首を縦に振る非言語的な反応で、あいづちは「うんうん」「そうですね」などの言語的な反応です。言語だけではなく非言語でも相手に話を聴いていることを伝えるのですね。
話す意欲を高める効果的なあいづちには以下のようなものがあります。
「肯定的なあいづち」
そうですね、そう思います、など相手の話に同意や賛成を示すあいづち
「中立的なあいづち」
なるほど、そうですか、ええ、などの相手の話を受け止めたことを示すあいづち
例えあいづちをうっていても、相手の目を見なかったり無愛想な表情だと印象は悪くなります。
肯定的なあいづち、中立的なあいづちをうちながら、先程紹介したペーシングやミラーリングの技術を用いてみるとより良いと思います。
「メッセージを共有しよう」
うなずきやあいづちの次は「繰り返し」をマスターしてみましょう。
繰り返しとは相手が話す言葉の一部を短くそのままの言葉で返す方法です。
相手の言葉をすべてそのまま返してしまっては不自然なので、一部を相手の言葉通りに返すことが大切です。
例えば「私Aさんのこと苦手だな。いっつも時間に遅刻してくるし気が合わない」と言われたとします。このような場合「繰り返し」の技術を使うと・・・
→「苦手だなって感じなんだね」「遅刻してくるのもあって気が合わないんだね」などの言葉になります。重要だと思う一文を返していくのがコツですね。
そして次は「言い換え」の紹介です。
言い換えとは相手の話から感じ取ったことや理解したことを、聴き手の言葉で返す技法です。例えば相手が「昨日から何も食べたくないんです」と言ってきたとします。これを「言い換え」の技術で返すとすると・・・
→「食欲がないんだね」などになります。
言い換えは話し手の思いや表現を聴き手の言葉で表現して具体的にしていくことができるのです。
この「繰り返し」と「言い換え」は同じ会話の中で臨機応変に使い分けていくことが大切です。
では一度まとめます。
「失敗ばかりで嫌になる。自分のことが嫌だわ」
という言葉を「繰り返し」と「言い換え」をしてみます。
繰り返し:自分のことが嫌だと思うんだね
言い換え:自己嫌悪っていう感じかな
となります。
この「繰り返し」と「言い換え」はネガティブな話を聴く時にはとても有効に働く技術です。
誰かの悪口などを聴いた時は返答に困る場合もありますよね。
そのような時に「嫌いなんですね」「苦手な人なんですね」などであれば返答ができますよね。
ようは相手に共感をする、しない、は置いておき、まずは相手の話を正しく認識しています、ということを伝える技術となります。
「おわりに」
いかがでしたか?
「聞こえている」のと「聴いている」のでは似ているようで大きく異なります。
コミュニケーションは相互的なもの。
相手に自分は話を聴いていますよ、というメッセージを送ることが、聴き上手になる第一歩です。
気になったものがあればぜひ使用してみて下さい。