旅ごころブログ🐒

心理カウンセラーをしている筆者が心理学の知識を紹介するブログです。趣味の旅行で行ったおすすめスポットや飲食店の紹介もしていきます。

いじめはなくならない?学校現場のいじめへの対応を心理カウンセラーの視点から説明します

いじめが原因の自殺や殺人が起こることがあります。

それだけいじめられる、というのはその子どもの心に多大な外傷を負うのだということが分かります。

 

学校現場だけではなく、会社など大人の社会でもいじめは起こります。

 

今日は学校現場のいじめについて書いていきます。

 

 

 

いじめの定義

いじめは文部科学省によって以下のように定義されています。

 

自分より弱いものに対して、身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じているもの。

起こった場所は学校の内外を問わない。

 

 

いじめには様々なものがあります。

 

無視をする、服を脱がすなどの心理的な苦痛を与えるもの、殴る、蹴るなどの暴力、果ては多額な金銭を要求したり、集団リンチをしたりするなど、大人も驚くような重大犯罪も起こります。

 

学校はある意味閉鎖的な空間であり、特に子どもたちの世界は教師や親が入らない人間関係があります。

 

 

現代社会では、ネットに非難中傷を書き込む、ライングループで悪口を言い合う、などの昔はなかったいじめも出てきています。

 

いじめを受けている時は、孤立していることが多いので、誰かに相談をできない場合がほとんどですが、ネットでの書き込みなどは、誰がやったのかが分からず、疑心暗鬼になりSOSをさらに出しにくくなります。

 

 

 

いじめの研究

いじめに関しての研究は様々なものがあります。

 

 

いじめ被害者に焦点を当てたものだと、いじめによって傷つけられた心をどのように癒していくのか、いじめからどのように守っていくのか、などを調べていくことが多いです。

 

 

しかしいじめの被害者だけではなく、直接的にいじめを行う加害者、直接的なことはしなくても見て見ぬ振りをする傍観者の立場に焦点を当てた研究も多くされています。

 

 

 

いじめを未然に防ぐ取り組み

このようないじめの研究結果から、いじめ加害者は高ストレス者が多く、家庭内が上手くいっていない、など、加害者自身も苦しんでいる環境にいる場合が少なくないことが分かりました。

 

 

自身の苦しみを学校内の弱い立場の人間にぶつけた結果、いじめが始まることは、実はとても多いのです。

 

 

このようなことから、学校内にいるスクールカウンセラーなどが、児童全員に対してストレスマネジメントを行う取り組みがなされています。

 

教育現場での心の支援については以下の記事を参照してください。

仕組みを書いています。 

www.ntan.work

 

未然に防ぐ取り組みと言えば、「1次予防」になるので、様々な不適応のリスクの高い生徒だけではなく、すべての生徒に向けて行われます。

 

 

ストレスチェックを行い、高ストレスの生徒をスクリーニングすることももちろんですし、すべての生徒に対してストレス対処法を伝える「心理教育」の時間を設けます。

 

 

そして悩みがある時の相談場所を伝えることも行います。

 

 

生徒たちに①ストレスはある程度自分で低くすることができる、②学校は安全な場所であり、学校にいる大人はみんなの保護者と協力してみんなを守っていくことができる、ということを伝えていくのです。

 

 

ストレスが高いまま誰にも相談できないでいると、いじめや非行などの相手や自分を傷つける発散を行なったり、心のバランスが崩れて調子を悪くしたり、何も良いことは起こりません。特に身体が急激に発達する思春期の生徒は心の揺れも激しいので注意が必要です。

 

 

またストレスマネジメントだけではなく、アサーショントレーニング」なども行う場合もあります。

 

 

クラスメイトに対して、自分の意見が言えなかったり、つい乱暴な言い方になってしまうこともあると思います。

 

そのようなコミュニケーションスキルが不足していることが原因で、クラスから孤立したり、自分はそのようなつもりはなくても相手を傷つけてしまったりすることが起こります。

 

 

アサーショントレーニングは、相手も自分も大切にするコミュニケーションの基本を学ぶものです。

 

教科教育だけでなく、コミュニケーションのスキルを学べる機会を作ることが、学校生活やその後の生活の困難を助けてくれる場合もあります。

 

 

いじめはまず「未然に防ぐ」ことが重要となります。

 

そのために、ストレス対処法やアサーショントレーニングなどを心理教育で伝えていくのですね。

 

 

いじめが起こったら

では、実際にいじめが起こったらどのようにしていくのでしょうか。

 

 

学校によって対応に差はありますが。周囲の大人は「いじめは絶対に許されないこと」と明確に生徒へ伝えることは第一に重要です。

 

 

その上で、いじめ被害者への支援と、いじめ加害者への支援を行います。

 

 

いじめ被害者は深く傷ついていることがほとんどなので、まずは安全感を取り戻すために、保護者・教師・スクールカウンセラーなどが、「あなたのために手助けをしたい」「あなたの安全を守りたい」と伝え、本人の希望を聞いた上でどのように支援を行うのかを話し合います。

 

 

いじめられた被害者がすぐに学校に復帰をしたいのか、しばらく保健室登校などをしたいのか、同級生が怖くておびえているのか、勉強が手につかなくて困っているのか、本人のニーズを尊重し、いじめの再発を防ぐとともに、本人の心・環境のケアを行うことが重要となってきます。

 

 

 

そしていじめの加害者へも大人たちの包括的な支援が必要となります。

 

いじめの加害者が以前はいじめ被害者だった、家庭内で重大な問題が起きている、発達障害などの疾患・障害が背景にある、などいじめ加害者も心理・社会的な支援を必要としている状態であることは少なくありません。

 

いじめは許されることではない、という姿勢は崩さず、あなたが今後健やかな成長をするために、周囲のことも自分のことも傷つけない対処が取れるように、大人はみんな協力する気持ちを持っている、ということを伝えます。

 

 

 

そして学校全体でもいじめ再発予防のために、道徳心理教育の時間を利用し、すべての生徒が安全に学校に通う権利があること、自分の安全が脅かされれば助けを求められること、などを伝えていきます。

 

 

 

いじめの影響

いじめは被害を受けた生徒はもちろん、周囲の生徒、保護者、教師、そしていじめ加害者である生徒の心にも大きな影響を与えます。

 

 

発達途上にある子どもは、心に受けた影響を癒せぬまま大人になると、自分に対して自信を持てない、社会に出るのが怖い、誰も信用できない、などの思いを一生抱え続けることになります。

 

 

特にいじめ被害者は、いじめがきっかけで引きこもりになったり、社会に適応できなくなることもめずらしくありません。

 

 

関わったすべての生徒が、正常に発達することが困難になる事態、それがいじめなのです。

 

 

学校という閉鎖的な空間では、このいじめは頻繁に起こります。

 

いじめは絶対になくならない、などの意見もありますが、だからと言って放置して良い問題ではありませんよね。

 

教師・心理士・保護者などの多職種の大人たちが、児童生徒を守っていく、成長を応援していく、という姿勢を、児童生徒に伝えていくことは、多少であってもいじめを予防し、起きてしまったいじめに対応する力になると思います。

 

 

おわりに

いじめはまずは未然に防ぐこと、早期発見を行うこと、発覚すればいじめ被害者の安全を確保しケアすると同時に、いじめ加害者や周囲の生徒への支援や指導を行うことが重要です。

 

 

学校が児童生徒たちにとって、心身ともに健やかに成長できる場所であることを心から願っています。

アルコールのない人生を生きるために-アルコール依存性の心理-

アルコール依存症は脳の病気だということは、少しずつ浸透してきていますが、アルコール依存症者の心理を理解しておくことも重要なことです。

 

そしてアルコール依存性の治療でとても大切な「アルコールのない人生の楽しみ方」を考えることも不可欠です。

 

 

今日はアルコール依存性者が回復するために、アルコール依存性の心理を正しく理解し、アルコールのない人生を考えていきます。

 

 

 

アルコール依存症者の「否認」

アルコール依存症「否認の病気」とも言われています。

「否認の病気」とはつまり、自分の病気に気づき、特徴を知り、病気を受けれ、

自分自身で治療を選択する、ということが非常に困難であることを指します。

 

 

 

この「否認」を克服することが、回復への第一歩となりますが、「否認」の克服とはつまり、「病識を持つ」ということです。

 

 

病識とは、自分が病気であることを認識し、認めることです。

この病識を持つことがアルコール依存症の方はとても難しいのです。

 

 

 

ちなみに、アルコール依存症以外の方でも、精神障害の方は病識を持つことが困難な方が多いです。

病識については以下の記事をご参照ください。

 

www.ntan.work

 

 

さて、では話を戻します。

アルコール依存症の方が病識を持つことが難しい、自分が病気であることを否認してしまうのはどうしてでしょうか。

 

 

はっきりとお伝えすると「お酒を飲みたい」からです。

 

 

アルコール依存症の治療の基本は断酒です。

節酒という方法も最近では適用されつつありますが、断酒にしても節酒にしても、自分がアルコール依存症であることを認めると、お酒が飲めなくなる、または制限しなくてはいけなくなるので、認めてしまうのが「怖い」のです。

 

 

 

認めるのが「怖い」と書きましたが、アルコール依存症の方にとって、お酒をやめることはとても怖いことです。

 

 

「治療しないとどうしようもない。次飲んだら死ぬかもしれない。やめないといけない。でもどうしてもお酒を一生飲めない、ということを受け入れられない自分もいる」

 

 

「娘の結婚式に1杯飲むのも許されないのか・・・」

 

 

「10年やめても1杯飲むと再発する、一生やめる、という考えがどうしても受け入れられない。みんな普通に飲んでいるお酒じゃないか」

 

 

 

怒りながら、涙を流しながら、放心しながら、こんなことを話されていた方をたくさん見てきました。

 

 

お酒をやめる、依存症ではない私たちからすると、それほどまでに人生を狂わせる出来事だとは思えないのですが、彼らからするとお酒を止めるのは大事件なんですね。

 

 

だから否認します。

分かってはいるけど、認めるとお酒なしでどう生きていけば良いのか分からないので、認めるのが怖いのです。

 

 

 

 

お酒なしの人生

みなさんはお酒なしの人生は想像できますか??

 

 

別に平気・・・

少し味気ない

自分には無理かも

 

 

色々な意見があると思います。

 

 

ではこの「お酒」をみなさんが大好きで大好きで一番大切なものに置き換えてみて下さい。

 

 

彼なしの人生

10年間以上おっかけをしているグループなしの人生

大好きなスポーツ

 

 

確かにそれがなくても「生きていく」ことはできます。

しかしそれら自分が好きなものを断つというのは、本当に悲しいことですよね。

 

 

依存症はさらに「脳の病気」なので、心理的な辛さ+依存が入ります。

 

 

彼らは今後「酒なしの人生」をどう生きていくのかを模索していきます。

それはとても苦しい作業なのです。

 

 

 

お酒なしの人生は味気ない?

アルコール依存症になると、アルコール以外のものへの興味が極端に低くなります。

 

 

今まで好きだったこと、好きだった人、好きだった食べ物、それらがアルコールほどには心躍るものではなくなってしまうのです。

 

 

もちろんこれもアルコール依存症「症状」です。

 

 

だからアルコール依存症の人たちは、断酒に成功していても、常に「空虚感」を抱いています。

 

 

私たちが日常で「あー、今日は○○があるから嬉しい」「明日カレーにしよ!」「来月は旅行だー!」と、すっごく嬉しくなるような出来事が、それほどまでには強く喜びを感じられなくなります。

 

 

味気ない。

 

 

そう感じてしまうのです。

 

 

 

アルコールなしの人生を生きていくために

これまで書いたことは、全てアルコール依存症の当事者の方や、そのご家族の方へ勉強会などで伝えていきます。

 

 

今までの話だと

アルコール依存症は断酒が第一選択肢

・だからこそアルコール依存症の人は自分がアルコール依存症ではないと否認する

・アルコール以外のものへの興味が低くなる

 

ということでした。

 

 

ではアルコール依存症の当事者の方やそのご家族は、どうやって生きているのでしょうか。

本当に何も感じずに空虚な人生を送るしか道はないのでしょうか。

 

 

もちろんそんなことはありません。

 

 

家族の協力のもと断酒を継続し、健康的な生活と穏やかな心を取り戻している方はたくさんおられます。

 

断酒をしつつ、他の人の断酒にも協力することに生きがいを見出している方もいます。

 

断酒会やMACなどの普及活動に協力したり、講演をする人もいます。

 

 

このように穏やかな日常を取り戻すには時間がかかります。

そのために私がおすすめしているのは、とにかくまず「お酒以外の楽しみ」「たくさん」見つけることです。

 

 

アルコール依存症の人が一番好きなのはお酒です。

 

その他のものでそれを埋めようとするならば、数を多くするしかありません。

 

2個や3個ではなく、5個、6個、7個・・・と、とにかく楽しいことをたくさん見つけてみて下さい。

 

 

これはアルコールの勉強会などでは必ず話題となることです。

 

 

以下に例をあげてみます。

 

・カラオケ

・読書

・漫画を読む

・ゲームをする

・スポーツをする

・旅行へ行く

・マッサージを受ける

・料理を作る

・紅茶やコーヒーなどのアルコール以外の嗜好品を楽しむ

・家庭菜園

・音楽を聴く

・楽器を習う

・友人と美味しいケーキを食べる

・小銭貯金をする

・映画を見る

・お菓子を手作りしてみる

・ジムに行き筋トレをする

・簡単なものでも良いので資格にチャレンジする

・ヨガをする

・雑誌を読む

・ボランティアをする

 

今で21個です。

他にもまだまだあります。

 

・プールへ行く

・海を見る

・温泉に入る

岩盤浴をする

・ドライブをする

・山登りをする

・全国のスイーツを毎月取り寄せてみる

・パソコンを学ぶ

お笑い番組を見る

 

 

 

この中で少しでも「興味がある」「これならやってみても良いかな」「楽しそう」と思ったものはありますか??

もしあればどんどんチャレンジしてみて下さい。

楽しければ続けて、楽しくなければやめて他のものを探せば良いのです。

 

 

もちろん他のものでも構いません。

身近な人に聞いてみても良いと思います。

 

 

 

アルコール依存症の人が実際に行っていた人生を楽しむ方法

さて、では実際にアルコール依存症の人が行っていた趣味を楽しむ生活例を紹介していきます(数個の事例を組み合わせたものです)

 

 

Aさん(30代 男性)

・奥様と2人暮らし

・奥様の作った料理と一緒にお酒を飲むことがストレス発散になっていた

アルコール依存症と診断され断酒を決意

・仕事は定時で帰れるように調整

・週に1回の自助グループと、2週間に1回の診察・カウンセリングでフォロー

 

 

アルコール依存症で入院するまでのAさんは、特に好きな趣味もなく、ゲームをしたり漫画を読んだりするくらいでした。

それも熱中するほどではありませんでした。

 

 

唯一、料理上手な奥様の手料理とお酒を仕事から帰って楽しむことが、癒しとなっていました。

 

 

断酒は決意したものの、今まで楽しみだった食事とお酒がなくなると思うと落ち込む気持ちもある・・・と語っておられました。

 

 

もちろん奥様は料理は変わらず作っておられたのですが、そこにお酒がないとなんだか寂しい…と感じていたわけですね。

 

 

そんな中Aさんはカウンセリングの中で、アルコール依存性の特徴を学ばれ、趣味を持つことの重要性も感じられました。

奥様もアルコール依存性の家族会に参加をされ、同じくアルコール以外での楽しみを持つことに協力をしたい、と考えられたようです。

 

 

そこで以下のような取り組みをされました。

 

・お茶の種類を増やして料理によってお茶を変えてみた。

 

・週末の休みの一日は、二人でランニングや散歩、スポーツセンターでの運動を行い、その後にビールを飲みたくならないように、冷たいジュースを飲むようにした

 

・小銭貯金をはじめて貯まったら旅行に行く楽しみを持った

 

・料理以外にお菓子作りをはじめて、二人でお菓子を作り、美味しい紅茶やコーヒーを楽しんだ

 

・断酒会の講演などを二人で聞きに行き、断酒のモチベーションを保った

 

 

私はこのような報告をAさんから聞いて、素直に「すっごく楽しそう!」と思いました。

 

実際にAさんの感想を聞いてみると、運動はダイエットやストレス発散にもなるし、お菓子作りなどの新しい趣味もできたこと、今までお茶やコーヒーがこんなに美味しいものだったなんて知らなかったこと、一人で通う自助グループもとても役に立つが、奥様とアルコールの勉強を一緒にすることもモチベーションになっていることなど、嬉しそうに話して下さいました。

 

 

もう一つケースを紹介しましょう。

 

Bさん(50代女性)

・旦那様と二人暮らし

・今まで何度も断酒を試みるも失敗し落ち込んでいた

・既婚の娘さんが近くに住んでいる

・月に2回の診察とカウンセリングを行い、自助グループには参加せず、年に数回断酒関連の講演や学会などに旦那様と見学に行っている

 

 

Bさんはお酒が大好きで身体も強く、社交的な方でした。

趣味のサークルで知り合った友人がたくさんおり、飲み友達と飲み会をすることが楽しみでした。

旦那様や娘さんとの関係も良好でした。

 

 

しかしアルコール依存性になり、何度も断酒に失敗するうちに、自信をなくしてしまいなげやりになっていました。

 

 

Bさんの場合、落ち込みもひどかったので、娘さんや旦那様にもカウンセリングに参加していただき、家族が協力してBさんを応援できる環境をみんなで考えていきました。

 

 

そんな中、Bさん一家が取り組んだのは以下のようなことです。

 

自助グループへ見学に行き、お酒をやめるための仲間を作る

 

・旦那様と一緒に昼間に公民館などでやっているストレッチ教室やヨガ教室などに参加し、社会との繋がりを持ちつつ運動習慣をつける

 

・週に1度娘さんが遊びに来た時には一緒に食事を作り、新しいレシピにも挑戦する

 

・夜に外に出ると飲みに行きたくなってしまうので、昼の間に趣味でもあるカラオケに行く。その時には抗酒剤を飲み、一緒に行く友人にも断酒をしていることを説明しておく

 

・もともとお笑いライブが好きだったのでよく行っていたが、昂揚感で飲みたくなってしまうので、お笑いDVDを家族で見る

 

・冷蔵庫にはBさんが好きなチョコレートとぶどうジュースを常に入れておく

 

 

これらの取り組みは、何度も話し合い、試しては失敗し、最終的にはBさん自身が自分で合いそうなものを選んだものです。

 

 

少しずつBさんは社交的なBさんに戻っていき、飲酒欲求が強くなりそうな場面ではあらかじめ抗酒剤を飲んだり、友人や家族に協力をお願いするなど、周囲の人たちを頼ることもできるようになってきました。

 

 

 

そして「また飲んでしまうのでは」という不安もありつつ、工夫の仕方が分かってくるたびに、少しずつ自信もついてきたようです。

 

 

 

おわりに

アルコール依存症の人はアルコールがない人生に最初はとまどいます。

しかし、その中でも希望を見つけることはできるのだな、と実際に体験者の方に話を聞くと感じることができます。

 

 

断酒や節酒をしながら人生を楽しむ、この視点は依存症治療においてとても大切な考え方なのだと思います。

教室で落ち着きがない、宿題ができない、もしかしてADHDやLDが原因かも?どんな障害?親や学校はどう対応すれば良い?

学校現場では他の児童と同じような行動がとれないために、特別の理解と支援を必要とする子供たちがいます。

発達障害を持つ子どもたちです。

 

発達障害は全般的に能力が低下している知的障害とは異なり、能力にばらつきがあります。

 

得意なことと苦手なことの差が激しいんですね。

 

今日は発達障害のなかでも「学習障害」と「注意欠陥多動性障害「について書いていきます。

 

 

学習障害(LD)

学習障害は1988年、学習障害に関する全米合同委員会で次のように定義されています。

 

 

学習障害とは、聞く・話す・読む・書く・推理する、あるいは算数の諸能力についての習得と使用に著しい困難を示す様々な障害群を総称する述語である。

 

 

例えば国語の文章問題は、年齢に期待されるだけとけるのに、漢字が書けなかったり、他の科目は問題なくできるのに、なにかを推理する能力のみ著しく低かったりします。

 

 

社会に出ても、仕事はできるし社会性も高いし頭も良いのに、事例問題のある資格試験にだけはどうしても合格しない人がいたりします。

 

 

このような場合も学習障害が根底にあることがあります。

 

 

誰にでも得意・不得意はありますが、通常の得意・不得意では説明できないレベルを学習障害と呼んでいます。

 

 

例えば先ほどの例だと「漢字が書けない」というのでも、「漢字が苦手」なのではなく「書けない」のです。

ひらがなやカタカナは書けたり、絵などは得意だったりしても、漢字だけ「書けない」、このような状態が学習障害です。

 

 

注意欠陥・多動性障害(ADHD

注意欠陥・多動性障害は、7歳以前に発症し「不注意」「多動性」「衝動性」の3つの症状を特徴とします。

それらの症状は、2箇所以上の場所で6ヶ月以上継続してあらわれ、学習や日常生活に障害が認められる状態です。

 

 

例えば以下のような状態です。

不注意:忘れ物が多い。うっかりミスを連発する。物にぶつかったりつまずいたりする。

 

多動性:じっとしていられない。授業中に立ち上がる。音などに反応しやすく集中できない。

 

衝動性:話が止まらないしどんどん違う話題に飛んでいく。人の話を最後まで聞けない。力の加減ができない。

 

このような特徴があると、学校という集団生活に適応できない場面が出てきます。

 

 

ADHDは知的な遅れがないので発見されにくく、大人になって社会で適応できずに始めて診断されるケースも多いのです。

 

大人のADHDについては以下の記事を参照して下さい。

 

www.ntan.work

 

 

 

発達障害を持つ子どもへの支援

まずは医療機関で適切な診断を受けることは重要です。

 

その後に主に学校での支援と、必要に応じて外部の療育施設などの支援が入り、子どもを取り巻く支援者たちが協力して子どもを応援していきます。

当然養育者も一緒に子どもを応援します。

 

 

子どもが発達障害だった場合、家でも「興奮して夜になかなか寝付けない」「宿題に集中できない」などの問題が出やすくなります。

そのような実際に起きている困りごとを養育者から教えてもらい、その子どもの特性に応じた支援を検討します。

 

 

養育者は自分の子どもが困難な状態にある、と落ち込んでいる場合もあるので、養育者への支援も重要ですし、同時に子どもを応援する一番のキーパーソンとして私たち支援者も頼りにしている存在なのです。

 

 

学校でできる支援

まずは子どもが多くの時間を過ごす学校での支援を考えてみましょう。

 

 

ADHDの子どもは集中力が低い場合が多いです。

これは、例えば掲示板などが教室に貼ってあったりすると、その刺激に目が行き、授業が頭に入らないからです。

他の子ども達がおしゃべりをしていたりしても、そこに気を取られて教師の話が耳に入りません。

 

LDの子どもも同じく集中力に欠ける場合も多いですし、授業中にすぐに理解できる部分と、まったく理解できない部分の差が激しいので、できない部分によってせっかく持ってる長所を生かせない、ということが出てきます。

 

 

工夫点として以下のことが考えられます。

 

・教室の掲示板は教室の後ろに掲示する

 

・集中できない子どもは席を前のほうにして、教師の声が届きやすいよう配慮する

 

・教師は子どもが集中できていないなと感じたら、目を合わせる、など関心を自分に向けさせて授業に戻れるよう配慮する

 

・どうしてもできない科目の場合は、一部だけ個別対応を検討する。例えば宿題に関しても、得意な部分を伸ばして勉強に苦手意識を持たせないようにする

 

・一日の予定は分かりやすく大きく書き、色分けをするなど工夫を

 

 

勉強に苦手意識を持たないように、子どもの得意な部分を伸ばしていくことが基本になります。

 

ADHDやLDの子どもたちは、できないことで怒られたり、他の児童に馬鹿にされたりした体験を持っている子どもも多く、自信がなくなっていることも考えられます。

 

環境を整えて子どもが集中できる教室つくりを行う、できている部分を褒めて、できない部分は個別対応をするなど、臨機応変に関わることが大切です。

 

 

 

バリアフリーからユニバーサルデザイン

近年では、障害を持つ人が生活しやすいように配慮された「バリアフリー」から、誰にでも使用しやすく工夫をされたユニバーサルデザインに移行しつつあります。

 

 

教室の掲示板を後ろに掲示する、一日の予定を分かりやすく書く、などは、発達障害の子どもだけではなく、どの子どもにとっても集中できる教室になります。

 

 

障害を持つ子どもへの配慮ばかりに目を向けすぎると、逆にその子が目立ってしまいいじめの対象になったり、他の子どもの教育が遅れてしまうこともあります。

 

 

バリアフリー化を目指すのではなく、ユニバーサルデザインを目指して、どの子どもも勉強に集中できる環境を意識してみると良いかもしれません。

 

 

家ではどのように子どもを応援するのか?

では、ADHDやLDを持つ子どもに対して、家でできる応援の仕方はどんなものがあるでしょうか。

以下が参考になるかもしれません。

 

・宿題をする時は机の上を整理した状態で始める。

 

・一度に一科目ずつ、次の科目に移る時は小休憩をはさむ

 

・子どもと一緒に時計を確認し「この針がここにくるまで頑張ろうね」と、見通しを伝える

 

・上手くできた場合、または失敗しても時間いっぱい頑張れた場合はたくさん褒める

 

ADHDやLDの子どもは忘れ物が非常に多いので、翌日持っていくものは一緒に確認をし、定位置に置いておく

 

 

 

また、ADHDやLDの子どもたちは、刺激に対して敏感な傾向があるので、疲れていても走り回ったり休めない場合があります。

 

まさに「倒れるまで走る」状態です。

 

このような場合は、一番子どもが安心できる養育者が優しく声をかけてあげることで、休むことができます。

 

部屋のカーテンをしめて少し暗くして、テレビや携帯を切り刺激を少なくしてあげます。

子どもが小さい場合は、頭をなでたり、胸を優しくとんとんしてあげて、落ち着かせてあげます。

自分では休むことができない子どもの場合は、環境を調整してあげることが大切なんですね。

 

 

 

子どもの得意を伸ばしていく

LDの子どもは一部分で能力が低下していても、その子どもの得意なこと、好きなことは必ずあります。

好きなことをたくさんできる環境を用意し、得意なことをたくさん褒めて認めてあげることが、その子どもの可能性を高めます。

 

 

ADHDの子どもは不注意な部分や衝動性が高い部分があり、「暴力的」「おっちょこちょい」などと他の子どもにからかわれる対象になりがちです。

しかし実際におしゃべりが得意な子も多いので、大人になり自分の能力をいかせる仕事につき大活躍をしている人もいます。

細かいことは苦手でも、元気がありたくさんの面白い発想を出してくれることも多いのです。

 

 

子どもの好きなこと、得意なことを見つけてあげて、家でも学校でも楽しく過ごすことが、その子の将来を切り開く力になるのだと思います。

気持ちを抑え込まないで!カタルシスを得て心の中のもやもやを外に出す方法

現代社会では大人も子どもも様々な感情を心の中に押し込めて生活しています。

我慢をしている、というのもあるのですが、意識していなくても心の中にイライラや不満を溜め込んでいる場合もあります。

 

これを心理学では「抑圧」と呼びます。

 

抑圧が強い場合、自分ではなぜだか分からないけど、イライラモヤモヤしてしまうことがあります。

 

 

カタルシス

抑圧された感情を言葉や行動で自由に表現することで、このイライラモヤモヤを解消できる場合があります。

 

これをカタルシスと呼びます。

 

カタルシスとは「浄化」という意味のギリシャ語です。

ブロイアー.Jが、身体表現性障害を治療する際に、鬱積した感情を表現させることで、症状が改善した、という経験からこの用語を用いました。

 

身体表現性障害とは、ストレスなどを心に押し込めることで、身体に影響が出る精神疾患です。

詳しくは以下の記事を参照して下さい。

 

www.ntan.work

 

 

 

カタルシスの効果

過去に起こった嫌な記憶や罪悪感をともなう体験を外傷体験と呼びます。

 

これは思い浮かべると不快感や不安感を生じるので、心の中に抑圧されやすいものです。

 

カタルシスはこのような抑圧された感情を、自由に表現させることによって、心の緊張を解く効果があります。

 

実際のカウンセリング場面では、カウンセラーと一緒に、自分の思っていることを少しずつ意識して言葉にしていく作業を行います。

 

言葉にすることが難しい場合、絵に描いたり、緊張を解くリラクゼーションを行なったりしますし、子どもの場合は「遊戯療法」と呼ばれる、遊びを媒介にした治療を行います。

 

しかしこのカタルシス、日常生活でも行うことができます。

 

治療に通うほどではないけれど、イライラが続いていたり、子どもがどうも癇癪を起こす、などで困っている場合、まずは日常で気持ちを発散させることを試してみて下さい。

 

 

日常でカタルシスを得る方法

 日常でカタルシスを得るコツはもともとの言葉である「浄化」を意識すると良いと思います。

 

 

ヨガなんてとても良いですよね。

深い呼吸を行い自分と向き合い、汗を流して身も心も浄化されそうです。

 

また発散系のことをやるのもおススメです。

・カラオケ

・飲み会

・スポーツ観戦

・山登り

お笑い番組

・思いきり汗をかく

などですね。

 

ようは、言葉や汗、笑い、涙、なんでも良いので心と身体の外に出していく、とイメージです。

 

子どもがイライラしているようだったり、癇癪を起こすようであれば、駆け回れる野山に連れ出して思いきり走り回るのも良いですし、大好きなアニメの映画を見に行くのでも良いと思います。

 

感情を言葉にできるようであれば、大人でも子どもでも言葉にしていく、例えば誰かに相談するなどしても良いのですが、難しい場合は行動で表現しても良いのです。

 

汗をかく、なんてとても分かりやすいですよね。

 

汗をかくことで老廃物と一緒に心のもやもやも外に出ていきます。

身体がほどよく疲れて、「あー気持ち良い」と感じられるものであればとても良いですね。

 

まずは日常の中でカタルシスを得られるよう試してみて下さいね。

再訪!広島のおいしいカツサンド銀山ベースのランチに行ってみた

広島はモーニング発祥の地!!!

 

以前紹介した「銀山ベース」

 

www.ntan.work

 

 

カツサンドの美味しいカフェですが、モーニングだけではなくランチも食べられます!!

 

今回再訪してきましたので他メニューを紹介しつつ、銀山ベースの魅力をさらに掘り下げていきます。

 

 

広島の美味しいカツサンドが食べられるカフェ「銀山ベース」

まずは基本情報のおさらいです。

住所:広島県広島市中区銀山町1-2 銀山町アパートメント

電話番号:082-546-2238

駐車場:なし(近くにコインパーキングあり)

営業時間:8:00~22:00

 

 

私は断然カツサンドをおすすめしますが、夜には不定期にライブを行っており、お酒を飲みながら見られたり、モーニング・ランチメニューも多数あるカフェ&バーです。

 

内装はこんな感じで

 

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お洒落ですね。

手作り感もあり暖かい印象を持ちます。

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大きなテレビにアーティストのライブ映像が絶え間なく流れています。

今回訪れた時にはサザンオールスターズのライブ映像が流れていました。

 

訪れた日時は日曜日の13:00頃

1組のお客さんが帰られて私たちだけでした。

 

静かでおしゃれな空間にサザンの音楽が合いますね~。

 

 

銀山ベース ランチメニュー

以前はモーニングで利用しましたが、今回はランチでの利用です。

 

ランチメニューから「ステーキ」を選択!

 

もう一つはやはり「カツサンド」です!!!

 

主人と半分ずつにしました。

 

まずはステーキ・・・

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大きなお肉でボリュームがすごそう!と思い食べてみると、和風の味付けで意外にもあっさりです!

 

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とっても食べやすい味付けです。

お肉は中までしっかり火が通っていましたが、パサパサ感はなくとっても美味しく食べられました!

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ついているスープがまたものすごく美味しいんですよね・・・

コンソメなのかな?コンソメだけではない感じ・・・

とにかく家では出せな味でほっこりお口直しです。

 

そしてそしてやっぱりカツサンド!!!

 

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これこれ!

 

甘さもありしょっぱさもあり、大好きな味です。

一口大サイズ!

食べやすい!

キャベツにも味がしっかりついてて食べやすいんですよねー。

 

主人は生キャベツをあまり食べませんが、「ここの美味しいな〜」とほっこり食べていました(笑)

 

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もちろんポテトも美味しいですよ!

カリカリ系の塩多めです。

カツサンドもポテトも揚げたてアツアツ。

 

ランチメニューは他にもグラタンとかカレーとか色々ありました!

次は他のメニューも頼んでみようと思います。

もちろんカツサンドも!(笑)

 

すっかり大好きになってしまった銀山ベースさん。

以前書いた記事でもお伝えしましたが、読み方は「かなやま」です!

 

ぜひぜひぜひ!

行ってみて下さいね!

広島で美味しい魚と牡蠣を食べるなら! 魚河岸酒場 浜けん

広島駅から徒歩5分「魚河岸酒場 浜けん」をご存知ですか??

広島でお魚が美味しく食べられる立地も抜群のお店です!

 

 

魚河岸酒場 浜けん 基本情報

まずは基本情報です。

 

交通手段:

山陽本線「広島」駅南口より徒歩3分。
広電本線 猿猴橋町駅 徒歩1分

猿猴橋町駅から50m

 

住所:広島県広島市南区猿猴橋町4-22

猿猴橋はえんこうばし、と呼びます。

 

営業終了時間:23:30

 

駐車場:なし。車で来た場合は近場のコインパーキングかバックフロントの駐車場が便利です(ドライバーはノンアルコールで!)

 

 

魚河岸酒場 浜けん特徴

綺麗でお洒落なお店、ではありません!!

活気のある居酒屋!です。

 

みんなでワイワイ美味しいお魚とお酒を飲むのが好きな方にはオススメ!

 

お魚は産地直送の新鮮なものばかりで、お刺身などは大きいサイズでも臭みはまったくなく、種類もたくさんあります。

 

では、写真いってみましょう!!!

 

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広島と言えば牡蠣ですよね!

蒸し牡蠣がなんとお通しで出てきました!

お通しで蒸し牡蠣なんて…最高ですよね。

 

もちろん足りない方は追加オーダーできますよ!

どれも大ぶりでプリプリ!

牡蠣が好きな方はぜひ!

 

ちなみにここはお通しが豪華なんですよね。

始めて行った時は「なまこポン酢」でした。

お通しまで海鮮だと嬉しいですよね!

 

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胡麻鯖にタコのお刺身です。

 

胡麻鯖は「今直送便で九州から届きましたが、いかがですか?」と店員さんが聞いて下さったので迷わず注文!

 

とっても美味しかったです。

 

こうやって新鮮でおススメの魚介があれば、店員さんが声をかけてくれるのも嬉しいですよね。

 

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炙り明太子。

大好きな一品です。

ここに来ると必ず注文しています。

 

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牡蠣とほうれん草のウニソース。

ウニなくない?!と思われた方は…ぜひ食べてみて下さい。

ものすごくウニです(笑)

ウニと牡蠣とほうれん草…うまいにきまってます!!

 

牡蠣とほうれん草のウニソースも来たら必ず注文する一品。

ウニソースが濃厚なのでお酒と合います!

 

この他にも、大アサリやサザエをガスコンロで焼いてくれたり、馬刺しなんかもあったりします。

 

お店の中はワイワイガヤガヤ、みんな盛り上がっているし、店員さんも活気があって良いですよー。

 

お店は広いので予約なしでも毎回すんなり入れます。

ただ広島駅から徒歩数分の好立地なので、金曜日の夜とかだと予約をしたほうが安心ですね。

 

広島で牡蠣が食べられるお店はたくさんありますが、浜けんは牡蠣以外の料理もとっても美味しいのでおススメです。

 

観光の帰り、職場の飲み会、友達と一緒に、ぜひ行ってみて下さいね!

大人になるのは痛みを伴うって本当?青年期から成人期へ移行する若者の心理を学ぼう

自己実現と聞くとどのようなことを思い浮かべますか?

 

一昔前までは、大学、あるいは高校を出たら就職をし社会に出て大人になる、という生き方が当たり前でした。

 

しかし現在は生き方が多様化しており、仕事の自由度も高くなっています。

 

派遣社員、フリーター、フリーランスなど、正社員で会社に雇用される、という働き方以外にも、自分で選択できる幅は広がりました。

 

この、学生から社会に出る時の選択の幅が広い、というのは現代社会の特徴ですよね。

 

今日は青年期から成人期に移行しつつある、若い世代の方についての、心理学知識を紹介します。

 

 

 

モラトリアム

青年期は身体的成熟とともにはじまります。

他者の目を意識することから、それまで感じてきた「自分らしさ」というイメージが揺らぎはじめ、他者が期待する理想像と現実の自己像とのギャップに悩まされます。

 

 

一方で、周囲の大人たちは青年に社会的な役割の取得と自立を求め始めます。

 

 

そして青年はそれに何とか応えようと試行錯誤を繰り返し、自我同一性を確立しようとします。

 

 

つまり、高校、大学などに行っている学生や、10代でフリーターをしている青年などは、周囲の大人の期待を感じながら、自分にとって価値のあることは何か、自分の進むべき道はどのような道かを模索する時期でもある、ということです。

 

 

このように、試行錯誤が社会的に許されるという青年期特有の状態を、エリクソン.E.Hモラトリアムと表現しました。

 

 

大学生などは分かりやすいですよね。

勉学に励みながら比較的自由な時間もあり、アルバイトや旅行をしたりして、自分の人生について考える時期です。

 

 

エリクソンの考えでは、モラトリアムはとても積極的なもので、青年がボランティア活動や海外旅行、資格を取る、など色々と試行錯誤して、自分という人間を作っていくものだ、とのことです。

 

 

確かに青年期の若者たちのエネルギーはすごいものがありますよね。

活動的、という意味もありますが、心のエネルギーも満ちていて、健康的でもあり危うくもある、まさに大人になるための期間と言えます。

 

 

 

モラトリアム人間

しかし近年ではこのモラトリアムの意味が変化しつつあります。

 

経済的な豊かさとともにこのモラトリアム期間が延びてきており、大人と呼ばれる年齢になっても自分探しを続ける青年が増えてきています。

 

 

小此木啓吾は、モラトリアム状態に居続けることによって、社会への参加を保留し続ける青年をモラトリアム人間と描写しました。

 

 

何年も大学を留年したり、卒業後に海外へ留学したり、目的もなく大学院に進学したり、フリーターで生計をたてている青年を指します。

 

 

この状態が「ダメな事」という意味ではなく、社会情勢とともに、大人になるための期間が延びてきており、青年期と呼ばれる時期も以前より長くなってきている、ということです。

 

 

フリーター

そのような中、正社員ではなくフリーターで生計を立てて、本当にやりたい仕事を模索する青年も出てきています。

 

フリーターとは

まずフリーターの定義を見ていきましょう。

 

フリーターとは、学校を卒業後、定職に就かずパートやアルバイトをする若者たち、およびその就労形態を指します。

1980年代に、バンド活動など自分の夢を求め定職に就かずにアルバイトで生計を立てていた若者を、フリー・アルバイターと呼んだのが語源とされています。

もともとパートタイマーは、既婚女性が中心でしたが、仕事を最優先する会社人間的な生き方から、自分の考えや私生活を大事にする生き方へと、社会の価値観に変化が出てきました。

また不況の影響もあり、新卒者採用の激減も影響し、フリーターを選択する若者が増えているのです。

 

 

 

きっかけから見たフリーターの3つの類型

フリーターとなるきっかけは次のように分類されます。

 

①モラトリアム型

やりたいことが見つからない、決まらないのでとりあえずフリーターをし、その間によく考えたい、など明確な職業展望を持たないためフリーターとなり、職業的選択を先送りにするタイプ。

 

 

②夢を追求型

芸能演劇関係など、特定の職業をめざす明確な意思を持つが、正規雇用が少ない職種のためパートやアルバイトをするタイプ。

 

 

③やむを得ず型

就職試験に落ちたため、学費を稼ぐため、就職や進学の希望が叶わず、フリーターとなったタイプ。

 

 

このように、フリーターと一言で言っても「夢を叶えるため」「やりたいことが見つからない」など理由はそれぞれです。

 

現代では①モラトリアム型のフリーターが増加していると言われています。

 

 

 

自己実現が重要な時代に

昔は学生時代が終われば自然に就職し、環境の変化や大人になっていく葛藤に何となく苦しさを感じながらも、「みんなこんなものだ」と疑問を抱かずに自然と大人になる青年がほとんどでした。

 

しかし現代社会は、大人になり経済的に自立することよりも、自分のなりたい自分になる、ということが重要視されてきています。

 

この変化はどのようなことからきているのでしょうか。

 

 

 

マズロー.A.Hの欲求の階層

有名なマズローによる欲求の階層で説明していきます。

 

そもそも自己実現とは、マズローによれば人が潜在的に持っている能力を十分に発揮しようとする欲求のことを指します。

 

 

彼は欲求のヒエラルキー(階層)を設定し、基本的な欲求が満たされると、さらに上位の欲求が出現し、それが行動に影響していくと考えました。

 

欲求のヒエラルキーとは基本的な欲求の順になっています。

 

①生理的欲求(食欲・睡眠薬・性欲など)

②安全の欲求(自分が安全な場所で安全に暮らす欲求)

③所属と愛情の欲求(どこかに所属して誰かと一緒にいられるか)

④自尊の欲求(自分で自分を大切にしたい)

自己実現欲求

 

 

食事も摂れず寝る場所もない状態では自己実現の欲求はわいてきません。

自分を大切に思えていない状態でも同様ですね。

 

 

このように基本的な欲求が満たされている状態ではじめて、自己実現欲求が生じるとしたのです。

 

 

現代社会は経済的に豊かになり、日本では基本的な欲求は満たされてる場合がほとんどです。

 

そのため「生きていくために働く」ことよりも「自己実現」のほうが重要になってきているのです。

自分のやりたいことが明確で、その関係の仕事につければ仕事をしながら自己実現を果たすことができますが、自分の思う仕事につけなかったり、納得のいかない働き方だったりすると、正社員の仕事で経済的に、社会的に自立することよりも、自己実現のためにフリーターで生活をしていく、という選択をする若者も多く出てくる、というわけです。

 

 

現代の若者にとって自己実現はそれほど重要なものなのです。

また、それは大人にとっても重要になりつつあります。

 

 

「私定時で帰ります」というドラマがありましたよね。

昔は上司の言うことは絶対、まさに「24時間働けますか」が常識でしたが、今は働き方を自分で選び、自分のなりたい自分、したい生活を手に入れることが幸せだ、と感じる人が増えているのでしょう。

 

 

今はまさに時代が変化している時期なのだと思います。

昔はなかったフリーランスユーチューバーといった職業が出て来て、組織に所属をしなくても収入を得られるようにもなりました。

 

そしてそのような時代の変化とともに、人の心理も変化していくものです。

 

 

特に心理的に敏感で流行に詳しい若者にはそのような変化が顕著に出るわけですね。

 

 

子育てや進路相談をする上でも、移り変わる若者の心理を理解しておくことも重要になってきます。

 

 

最後に感想

大学生時代、臨床心理士になりたくて進学をすることは自分ではもう決めていました。

しかし大学卒業後にみんなが就職をし、自分は進学をすることに漠然とした不安と焦りを感じたのを覚えています。

 

就職=大人

という図式が私の中にもあったのでしょう。

 

また就職をする友人たちも、希望に満ちている人もいれば、大人になる準備が心理的にできていないのに状況だけ変化していくことい戸惑う人もいました。

 

青年期から成人期に移行する時期は、それぞれ心も動くんだな、と昔を思い出しても感じています。